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お寿司屋さんの猫の話

おはようございます、かなこです。

毎朝、通勤で利用する駅の周りは商店街になっていて賑やかなところです。

夕方、帰りに通ると飲み屋さんがあちこちで店を開けていて、客を呼び込む賑やかな声がする。

「お姉さん、どうですか?飲んでいかない?」

呼びかけられるけど、ひとりで飲んでてもつまんないし、だいいちそんなに飲めないし。いつもスルーして通り過ぎる。ごめんねーと心の中で返事しながら。

駅へ向かう、裏手通りに入る細い道の曲がり角にお寿司屋さんがある。酢飯の香り、色々なお魚の匂い。お寿司屋さんの独特の香り。

非常事態宣言が解除される1週間ほど前からこの界隈は賑わいを取り戻し始めた。お客はまだまばらだけど、きっとお店を開けなきゃ続けていくのが大変なんだろうな。

お店の裏手に回ると裏口があいている。その前にいつもちょこんと座っている猫がいる。ロシアンブルーみたいなソリッドなグレーの猫。混じりっけなしのグレーの猫。

時々、お店の人が魚の切れ端をやっているらしい。猫はそれを待っている。耳の端がカットされているから誰かが去勢手術をしたのだろう。雄だという確認はしていないのだけど、その丸くてふとましい顔つきから勝手に雄だと思っている。

お店の経営はきっと厳しいのだろう。この1ヶ月、毎日のようにそんな経営者たちの話をニュースやネットで見聞きしていたから、それぐらいはわたしにもわかる。

それでも、お店が開くのを待っていた猫におすそ分けをやる大将はどんな人なんだろうと興味が湧く。転勤になったから、ここを通るのはもう、あと一週間。最後の日はここで食べて帰ろうか。

じゃあ行ってきます。

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