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笑顔とほっこり

4月下旬。

全国に緊急事態宣言が発令されているなか、私はいつもと変わらずコンビニ店員をしていました。

毎日決まった時間に電車に乗り、コンビニへ向かい、レジをする。

特に変わったことはないですね。

あ、しいて言えば、シフトの時間が夜からお昼に変わったくらい。


そしていつものようにレジをしていると、あるお客さんがやって来られました。

「こんな時なのに、お互い大変ですね~。あ、私は宿貸ししてる者です~。」

その方は、うちのコンビニによく来られる常連さんでした。

来られる時間は不規則だけど、よくいらっしゃるので顔は覚えていたんです。

見た目で勝手に判断するのはよくないけれど、その方はいつも、少し顔をこわばらせた感じでレジにいらっしゃっていたので、怒らせたら怖いんかな~とか考えながら、接客していた気がします。


そんな方から、突然話しかけられたんです。

話し方からして、全く怖い人ではありませんでした。

むしろ、よく来るコンビニとは言え、一店員に話しかけてくれるなんてとってもいい人なんだなって思いました。

それに笑顔がとてもすてきで。

私はコンビニであっても、少しでもコミュニケーションを大切にしたいと思っているので、話しかけてもらえて嬉しかったです。


それからその方は、来るたびに話しかけてくれるようになりました。

いつも笑顔で話しかけてくださるので、私が最初に感じていた、少し怖そうというイメージは微塵もありませんでした。

というか、怖そうと思ってしまったことを謝罪したいくらい。


その方は、初めて話しかけてくださったときに宿貸しをしているとおっしゃっていたので、きっとホテルで働いているのかなと思っています。

そしてシフトによって、日勤や深夜勤があるから、うちのお店に来る時間も不規則なんだな、と。

「今日は、明けなんです~」

って、レジに来てくださったときもあったし。


そして、5月になりました。

GWが明けてから、少しばかり街に人が増えたような気がします。

そういえば、最近あの方を見ないなあ。

元気にしてらっしゃるかなあ。

私は、だいたい5時間くらいだけど、ほぼ毎日コンビニ店員をしていたにもかかわらず、その常連さんの顔を見ることがなくなったので、少し気になっていました。


すると一昨日。

久しぶりに、その方が来てくださいました。

レジに近づいてくるのが見えただけで、少し嬉しくなった自分がいます。

お久しぶりです~!

するとその方は、

「今ね、週1でしか働いてないんです~。家出んとおってくれって言われてね(笑)」

聞いてみると、他店が潰れたりして従業員があふれているから、ヘルプで他店の方が来たりして、1人当たりのシフトが減ってしまっている状況らしいです。

5月に入って、めっきり見なくなったのはそういうことだったのか。

でも、いつものように笑顔で話しかけてくれて、元気そうな姿に安心しました。


2~3日に1度くらいの頻度で会っていた分、最近お見掛けしていなかったのがさみしかったけれど、久しぶりにこうやってお話しできて嬉しかったなあ。


関西では緊急事態宣言が解除されたので、少しずつ元の生活に戻していこうとしています。

その方も、少しはシフトが増えて、コンビニに来てくれる回数増えるかなあ。

次に会える日を楽しみに、私は明日もコンビニ店員をします。



最後に。

タイトルが、なぜ「笑顔にほっこり」ではなく「笑顔とほっこり」なのか。

もちろん、いつ来ても私に向けてくれる笑顔にほっこりとした気持ちになるけれど、笑顔とはまた別にその方がかけてくれる言葉にほっこりし、何より声をかけてくれる優しさそのものにほっこりとした気持ちを感じたからです。

笑顔がすてきな人を見ると、とても元気がもらえる。

私も、誰かに元気をあげられる笑顔でありたいなあ。


書こう書こうと思いながら、下書きにタイトルを入れて熟成させていたものに、思いをはせて。

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