見出し画像

サッカーが新宿にもたらす価値

久しぶりの投稿になります。

2019年10月に国家公務員から新宿のサッカークラブ クリアソン新宿に転職して早3年半。転職後すぐにコロナ禍となり、結婚、出産、産休・育休を経てライフステージも変わりながら、夫婦でクリアソン新宿で働いています。サッカークラブも関東2部からJFLへと昇格し、目まぐるしく過ぎていく日々です。
(なぜ転職したかはこちらをご覧いただければと思います。)

現在、クリアソン新宿の地域共創室長として、サッカーを活用して新宿の課題解決に取り組んでいます。都心の子どもの運動機会、多文化共生、高齢者の健康推進など、サッカーという手段で新宿がより良い街になり、繋がりやコミュニティが生まれていくことを目指しています。

サッカーを新宿で活用するとどうなるか

コロナ真っただ中の2020年11月に新宿区と包括連携協定を締結し、これまで色々な活動を展開してきました。サッカーを新宿で活用するとどうなるか、対象別に紹介したいと思います。

新宿区(区長:吉住健一)と「新宿区サッカー協会代表チーム Criacao Shinjuku(クリアソン新宿/運営会社:株式会社 Criacao)」は、「地域社会の発展」「スポーツの振興」「多文化共生の推進」等のための包括連携協定を締結した。・・・
主な連携・協力事項は、1 スポーツ振興に関すること、2 学校と地域との連携に関すること、3 多文化共生に関すること、4 健康寿命の延伸・健康づくりに関すること、5 観光・産業振興や地域商店街の活性化に関することとしている。

新宿区とCriacao Shinjuku(クリアソン新宿)が包括連携協定を締結(2020年11月25日 新宿区HP)

こども

大都会新宿で子育てをする立場として切実な課題は、「都心の運動機会・遊び場の確保」です。いまや東京都育ちは10人に1人と言われる中で、スペースが限られた新宿で、こどもたちが運動機会を確保し、運動習慣を得ることは社会課題の一つです。
活動の一つとして、新宿の大学・専門学校生や地域団体の協力の下で、しんじゅくこどもまつりを定期開催しています。公園でボールを蹴る、思いっきり走る、こどもたちのワクワクを一緒に創っています。

若者世代

未来をつくる新宿の若者世代(生徒・学生)に対して、”WE LOVE SHINJUKU! ACTION” と題して、サッカークラブが教育や実践の場を提供するプロジェクトを実施しています。
通勤通学者を含めた若者世代が、地域への関心や自治意識が低いという傾向にある中で、クリアソン新宿との活動を通じて、新宿の課題・特徴・魅力への理解を深め、興味関心を持ち、若者世代が学校で学んだことを使って行動していくための取組です。
最初は新宿にもサッカーにも興味がない学生が、新宿への愛着を持つきっかけづくりになっています。

高齢者

新宿区は、65歳以上人口のうち約1/3が単身世帯(一人暮らし)で、全国の市区の中では3番目に高い割合です。
そこで、”新宿いきいきプロジェクト”と題して、高齢者の健康づくり、生きがいづくりに取り組んでいます。選手が高齢者施設やシニア活動館に月に1回ほど訪問し、継続して体操やサッカーボウリングに取り組むことで、健康増進はもちろん参加者同士の交流の場を作ることが目的です。都心においてお年寄り同士や多世代の「繋がり」をどう作るか、がサッカークラブに求められています。

サッカーボウリングの様子

多文化共生

新宿区は人口の10.5%が外国籍の方で、130か国の方が住む日本有数のグローバルな街です。新宿区としても多文化共生に取り組んでいますが、その取組の一つとして、毎年、新宿区サッカー協会と連携し、「新宿グローバルカップ」を開催しています。また、先日4/9(日)に開催された国立競技場での試合では、新宿区内の日本語学校の留学生を特別招待をし、その場で交流や繋がり作りができるような団体エリアを用意しました。試合会場やイベントを通して、普段は関係性が生まれにくい住民同士が出会う場を作り、次に繋げていくことが第一歩だと考えています。

新宿グローバルカップのようす

このように、あくまで一例ではありますが、地域の課題に対してサッカーがもたらす価値は無限大だと感じています。

地域共創室は選手中心

クリアソン新宿の地域活動の特徴は、選手が企画から実行まで担うことにあります。

そもそもこの部署が創設されたのも、当時2020年に浦和レッズから岩舘直選手(だてさん)が移籍してきたことがきっかけで、2人で新宿を駆け回っていたところが始まりです。2人で手探りで始めた地域活動も3年の時を経て、14名の選手、2名のスタッフ、3名のインターンと、かなりユニークな構成になりました。

先ほど述べたような活動にあるように、町会・商店会のお祭りに参加し、飲食店にポスターを貼り、時には大学で講義を行い、お年寄りとサッカーボウリングを実施する…ただ選手が参加するだけではなく、企画段階の打合せから実施までを担当しています。

  • 選手が新宿で活動を行うことにより、サッカーに関心がない方でも「この選手が出場するなら観てみたい」と思うきっかけになっていること

  • 選手自身が企画に携わることで、新宿の課題やサッカーが街にもたらす価値を深く理解していること

  • 選手自身も、地域での反応を肌で感じ、応援する声を直接聞けることで、仕事やサッカーへのモチベーションアップにつながること

その結果が、4月9日(日)国立競技場での11,150名の来場と熱量に繋がっているのではないか、と考えています。


都心でローカルな活動を

クリアソン新宿は都心のサッカークラブとスタイリッシュに見られがちですが、実はとてもアナログでローカルなクラブだと認識しています。新宿にも地域コミュニティが存在しており、地域での活動を行うことで、少しずつ新宿の方々に知られるようになり、試合会場への来場にも繋がってきています。

このような活動を続ける中で、世界一の乗降客数を誇る世界有数の大都会「新宿」において、サッカーを活用することで、同じ街にいても今まで関係性がなかった人が出会い、混ざり合い、ローカルに人と人とが繋がっていくこと、コミュニティが生まれていくことが面白さなのではないか、と感じています。

クリアソン新宿が大きくなっていった先に、新宿の飲食店で共通で盛り上がる、都会で多世代交流が増える、災害が起きたときに助け合えるような関係性が築ける…そういったローカルな繋がりが生まれていけば良いなと思います。関係性が希薄な都会だからこそスポーツ・音楽などのカルチャーが共通言語となって、新しいコミュニティ、繋がりになることが求められているのではないか、と思います。

最後に

クリアソン新宿が創りたい世界観ややりたいことを皆様に体感していただきたいと考えています。次のホーム試合は4/29(土)13:00kickoff vs マルヤス岡崎@味の素フィールド西が丘です。

この日はKID'S DAYで、こどものお仕事体験や試合後の天然芝ピッチ開放など、子育て世代にとって嬉しい企画をご用意しています!(小学生以下は全試合無料です)。ぜひ一度クリアソン新宿の雰囲気を味わいにお越しいただけると嬉しいです。

この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?