【さよなら、病棟LIFE。】

看護が大好きで、後輩も大好きだった。
だけど、病棟からいなくなることを決めた。
もう、限界だった。

4年前の4月、この病棟に配属された。
ここの病棟はとても人間関係がよかった。
あたたかい人たちで溢れていて、心地よかった。

「わたしはここに居ていいんだ」看護師になってから、はじめてそう感じられた。
ほとんど諦めかけていた夢が、ひとつ叶った瞬間だった。

それから4年が経ち、わたしはプリセプターという新人教育に携わる立場になった。
看護師を育てることへの興味関心が元々高かったけれど、実際にその立場になってみると思うようにいかないことも多く、頭を抱える日々が続いた。

けれど、担当する新人さんの成長を間近で見られることは嬉しくて、やりがいのあるものだった。

ただ、教える立場になるということは、他のことに関しても責任が増えるということ。

委員会や係を4つ兼任し、どの場所でもリーダーシップを必要とされる日々。

看護師、他部署、患者、家族、多様な立場での調整役となり、板挟みになりながらも、連携をはかった。

日々の業務もコロナの影響もあり、過酷になっていくばかり。
それなのに、新人さん、中途採用でも経験の浅い2年目レベルの看護師しか入職してこない。
教える人たちも疲弊している。もちろん、現状は退職する人が続いている。

わたしももう、限界が来てしまった。

切り替えはずいぶんと上手くなったし、白衣を脱いだら別の役割を楽しんではいる。

だけれど、病棟に戻ってきたら、新人さんや2年目さんを見て、「なんでもっと動けないの」とイライラしてしまう自分が居て、そのことがとても苦しかった。

自覚している以上の心身の疲労を感じて、わたしはわたしが完全に潰れる前に、退こうと決めて上司に伝えた。

「うちは退職まで半年ルールがある」と言われて、7ヶ月後の6月末に退職となった。

なかなか、看護師をしながら、自分も身近な人も大切にすることって難しい。

また看護がしたくなるまで、ちょっぴり休憩しよう。

そうして、病棟看護師に終止符を打った。

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