ドイツの幼稚園 / お泊まり保育
働く幼稚園で、『お泊まり保育』がありました。
日本でもありますよね、お泊まり保育。
職員ミーティングでお泊まり保育の計画についての話し合いがあり、ああ、私の時も、幼稚園であったなあ ( 覚えていなくて、写真からの思い出しかないけれど。) …と微笑ましく思っていたら、キンダーガルテンの就学直前の子供達だけでなく、私の働くクラスでも実施されると言うので、驚きました。
何故なら、「3歳未満のKita(キタ)※クラス」だからです。
※ Kindergarten キンダーガルテン / 3-6歳
Kita キタ / 0-3歳未満
キタクラスは10人で、それこそ1歳未満は居ませんが、皆、1歳数ヶ月〜2歳数ヶ月という年齢です。
パンパース族ですよ!
この年齢で『お泊まり保育』?!
当日の流れはこんな感じでした。
《金曜日》
通常通りの登園。
いつもよりも早い、15時までにお迎え。
17時半に職員は再集合&最終準備。
18時に園児達が再登園。
参加者は、園児10人+職員4人です。
(キタに入りたての子が1人不参加で、逆に、最近キタからキンダーガルテンにあがった子が1人、特別参加しました。)
自由に室内遊び。※あいにくのお天気だった為。
いつもとは違うことも体験しようということで、建物内探索なども。
↓
夕食(スパゲティ)… 麺は直前に同僚が園のキッチンで茹でて、ソースは別の同僚が家で作って持参 & 購入したペースト、チーズを準備しました。
飲み物は普段と同じ水とハーブティ、そこにプラスで炭酸ジュースが準備されて園児達の自由選択。
デザートはヨーグルトです。
↓
お散歩。※晴れたので決行。
↓
夜のおやつにアイス。
↓
就寝準備で教室内にマットなどの寝具の準備。
↓
同僚による紙芝居… 紙芝居って日本発祥ですが、ドイツでも「Kamishibai」として存在します。
今回は、キリスト関係のお話でした。(キリスト教協会運営の幼稚園です。)
↓
お泊まり保育記念に、ミニ懐中電灯を各園児にプレゼント。
↓
パジャマにお着替え&歯磨き。
↓
各園児にぬいぐるみ&必要な子におしゃぶり。
就寝。
↓
《土曜日》
起床&お着替え。
↓
朝食(トースト) & ココア
↓
9時にお迎え。
↓
職員は後片付け & 10時過ぎに解散。
皆キャッキャと楽しんでおり、寂しがったり、泣く子は1人もおらず。(あ、1人は「お泊まりはしない」という保護者の判断で、紙芝居の後に保護者が迎えに来て帰宅したので、泊まった園児は9人でした。)
就寝はいつもの教室内にマットをバラバラとひいて寝ました。大きな部屋ですがおもちゃの棚で区切られていたりするので、4箇所のなんとなく広くなっている場所に職員が1人ずつ分散して、側に2人ずつ(1人は3人)園児のマットをひきました。
私の側に3人の園児でしたが、その内の2人が寝返りを打つ度にマットからはみ出たり、全身でゴロンと転がって落ちたり。(低いマットなので、園児は落ちても引き続き寝ていますが。)
その度に体勢を整えたり、マットに戻したり。
部屋全体では大人の誰かは常に起きている状態で朝まで過ごしましたが、特に問題なく朝を迎え、起床時にも泣く子はおらずでした。
私は気が張っていて、園児の誰かが寝言をむにゃっと言うとバッ!と反応してしまうし、職員がトイレへ行くと目が覚めるし、なんなら誰かが寝返りをうつ布の擦れる音だけでも目が覚めてしまい、ほぼ寝ることは出来ず。土曜日に帰宅した途端バッタリ就寝で6時間爆睡。それでも夜も普通に寝ることが出来ました。
園児達は可愛いいけれども、疲れた…。
しかし、子供の就寝時間!
夜の22時半過ぎって遅過ぎない?!
( 何度も言いますが3歳未満です。)
時間も遅いし、園児達の寝入りは皆、速攻。
そして、夜のおやつのアイスにもびっくりしました。その時点で21時頃だったと思います。
特別感を出すためでしょうか。
疲れたけれど、楽しくもあったお泊まり保育。
でも個人的な感想としては、
どうかなぁ、これ、3歳未満に必要かな?
「親と離れて泊まれたという自信」はつくでしょうし、「普段とは違う経験」を楽しんではいましたけれども。
例えば、「生活リズム(体内時計)の狂い」や「家で保護者から受けるべき安心感」などと天秤にかけて、『3歳未満に優先すべきはどれ?』と思ってしまうのですよね…。
私の中では、3歳未満はまだまだ「内なる成長」を優先的に考えてあげたいお年頃。安心感から育む精神的な安定や、刺激だらけの日常の中で、家(心底安心できる状況)で心や脳を整理する就寝時間ってとっても大切だと思うのです。
主催の職員は「園児皆、泣かずに過ごせた!園で寝れたし、偉かった!」と満足気で嬉しそうなのですが、いつもの園でいつもの先生達と友人達と遊んで過ごしたらそりゃ楽しいでしょうし、特別だから…と遊びもいつもとは違う、お菓子もジュースも出るし、夜は夜で遅過ぎて、そりゃパッタリも寝るし。
なんだか、「子供達の為」というよりは「大人(職員)達の自己満足」の方が強い気がしてしまって。
年に1度のことではありますし、この経験がダメと思うわけではありませんが、個人的には「園が率先してやることかな?」…という疑問は持ってしまったのでした。
でもまあ園児達とその保護者が楽しめているのならいいイベントなのかしらね?
2023年8月6日
※ドイツでは、日本のような添い寝文化は余りなく、赤ちゃんの頃から1人でベッドで就寝する子も多いです。なので、保護者から離れての就寝に関しては日本ほど抵抗は無いのかも知れません。実際に保護者の方も参加させている訳ですし。
また、幼児期のお砂糖(お菓子やジュース)の摂取についても、日本では過度な摂取にならないよう気にする方も増えて来ていますが、ドイツではまだまだ無関心の方が多いと感じます。この園でも、普段から3歳未満にも結構甘いお菓子を与えます。
私は、砂糖の多いお菓子は「むし歯、身体への習慣(以降も欲するようになってしまう)、糖質過剰摂取による健康への影響」などから、特に3歳未満には特別な日以外には食べさせないようにしたい人です。個人的にはですけれどね。この日は特別な日ではありましたが、夜の21時にアイスはないわ… と思ってしまったのでした。
これも一種のカルチャーショックかしら。
※私の働く幼稚園では…という体験記ですので、『ドイツの幼稚園がこうだ』と言うのではありません。
ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。