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ガザとわたしは繋がっている②~子連れでデモに行ってみた

会社員、一児の母、国際問題についての関心は人並み、いや人並み以下、ニュースで見てへえ〜と感じる程度

(パレスチナって自分と関わりある?)
(世界平和に貢献なんて…NGOに寄付とか?)
(デモって極端な思想の人がやっているイメージ…)

と思っていたわたしが、どのようにして今ガザで起こっていることが自分自身に深く関わることだと気づき、行動をはじめ、子連れでデモに行くまでに至ったか、お話ししたいと思います。

ガザの人々とわたしは、同じ世界同じ時間に存在する

身近に感じたきっかけは、従兄弟の奥誠之くんです。彼は画家であり司書でもあります。抗議活動だけでなく、画家として作品を発表し、司書として図書館でパレスチナの特集書棚を作ったりしています。

もう一人は、昨年イスラエルとパレスチナを訪れたKさんです。Kさんに教えてもらい、パレスチナのニュースアカウント@eye.on.palestineをフォローしてみると、血だらけの子供、泣き叫ぶ母親などガザの惨状がタイムラインに挟み込まれ、キラキラした他の投稿とのギャップが強烈で、テレビや記事を通すよりも、ダイレクトに今起きていることを実感させ心に刺さる衝撃を受けました。

eye.on.palestine

昨年末大晦日、今年のうちに何か行動したいと、#ConnectingGaza※でeSIMを寄付してみました。(※ネット回線が遮断されたガザに、全世界からeSIMの寄付を募り、パレスチナ人にネットアクセスを届ける企画) 大晦日に送ったeSIMは、元旦には使われはじめ、アプリ上でデータが数分おきに使われていく様子を見て、この先にガザの誰かが確かにいると感じました。

数分おきにデータが使われるのが確認できる

虐殺と占領をやめるためになにができるか

ガザの子供達も、私の息子と同じように、温かいミルクとごはん、清潔なおむつ、安心して眠ることができるふかふかな布団、安全な環境で育つ権利がある。
※6/8 国連はイスラエルを「子ども権利を侵害した国」に指定した

私と同じ世界にいる生身の人間、息子と同じ歳くらいの赤ちゃん、子供達、罪のない民間人が、尊厳を無視され殺されている状況を、傍観していていいのだろうか。


私は有志の方々がまとめた日本から私たちができるパレスチナ連帯行動リストを頼りにできることからはじめてみることにしました。

日本から私たちができるパレスチナ連帯行動リスト

【署名をしてみる✏️】

まずはオンライン署名(本名じゃなくてOK)。<パレスチナ>を生きる人々を想う学生若者有志の会が行った、伊藤忠とイスラエル軍事産業大手エルビット・システムズとの協力覚書破棄を求めるオンライン署名には、約2万5000筆が集まり、伊藤忠は協力覚書の破棄を行いました。

change.orgはスマホで数秒で署名できる(本名じゃなくてOK

【ボイコットをしてみる🍋】

次にBDS運動(ボイコット、投資撤収、制裁)のボイコット。対象はイスラエル産のもの、入植植民地主義に関わるブランドなど。消費者として「選ばない」という連帯方法もあると知りました。同時に、消費を通じて加担してしまっていたことにも気づきました。

※画像はBDS Japan Bulletinからお借りしました。

インフラ化したグローバルテック企業(googleやamazon)へのボイコットは難しいため#No Tech For Apartheidというキャンペーンで抗議が行われています。

【集会に参加してみる🍉】

「イネス・メスバヒの作品におけるパレスチナのイベント・アクション」
従兄弟が関わっていた藝大でのアクションに参加。ガザから日本に移り住んだパレスチナ人の女性に教えてもらい、皆でパレスチナのダンスも踊りました。

藝大でのイベント/寺本愛さんのステッカー

久しぶりに会った作家の寺本愛さんは、ステッカーを制作して売上を寄付していました。彼女と同じように、作品を売ってパレスチナに寄付する作家が沢山います

5月行われた展示「パレスチナあたたかい家」売上は寄付に

【パレスチナチャリティーバザーでお買い物🕊️】

連帯のシンボルであるパレスチナ産のクーフィーヤを求めて、代々木上原の東京ジャーミーで行われるパレスチナチャリティーバザーへ。
朝から多くの人で賑わっていました。Hirbawi製のクフィーヤをGET!

朝から大賑わいの東京ジャーミイ
クーフィーヤ、刺繍がしっかりしてて暖かい!

【パレスチナに関する本を読んでみる📕】

たまたま通りがかったフェミニストのための書店ect.booksで、ガザに関する本を購入し読みました(「ガザとは何か」岡真理著◀︎入門に最適!、「ホロコーストからガザへ」サラロイ著)。75年前からの占領の歴史、なにが行われてきたかを知り、ますますできることをしなければと思うように。フェミニズムもガザのことも、根底では繋がっていると感じます。

フェミニストのための本屋さん、アパルトヘイトに抗う魔女の歌が掲示されていた

【パレスチナ親子の集い🌲】

快晴の休日、代々木公園で親子が集まる会に参加。そこには母として子育てしながら、情報発信やデモ参加している方達が集っていました。パッチ作りや、ナクバ※に関する紙芝居を読み聞かせてもらいました。

※ナクバ:1948年イスラエル建国に伴い、400以上のパレスチナ人の村が強制退去の対象となり、各地で虐殺が起きた事実を語り継ぐため、5月15日をアラビア語で大災厄を意味する『ナクバ』を呼ぶ。

パッチ作り/紙芝居を見る1歳児

【LEDリュックを背負ってみた】

メッセージを光らせながら歩くと、小学生が「何あれリュック光ってる!」親御さんが「FREE GAZA?!」と読んでくれたり、エレベーターを待っていたら「STOP GENOCIDE いいですね」とおじさまが声をかけてくれたりしました。

アプリで光るGIFを作れるリュック/夜はかなり目立つ

【国に意見を送ってみる📩】

首相官邸▷即時停戦を求めて
外務省▷イスラエルに経済制裁を課して
防衛省▷イスラエルの兵器を輸入しないで など意見を送ります。
国民の税金を使って動いている政府だから、政府の行動は私にだって責任があります。すごくハードル高いと感じていたけれど、無記名OKで、連絡先を書いても返事はきませんし、意見を送るのは投票と同義だと気づきました。

【ガザの個人に寄付してみる💲】

エジプトへ越境するのに通行料として大人1人5000ドル(約75万円)が必要で、多くのガザの個人が避難資金を求めてGoFundMeというサイトで支援を求めており、それすら難しい人々も沢山います。息子と同じ1歳児のお母さんなどからインスタのDMを通じて寄付のお願いの連絡をもらうこともあります。
日本の有志の方々がまとめた信頼できる寄付先を参照すると安心)

前編で紹介したNourさん / 1歳3ヶ月の息子がいるNoorさん / 1歳の息子がいるバーラアさん

子連れでデモに行ってみた

【人生初のデモに行ってみた】

なかなか参加できていなかったデモ。意を決して週末の昼、1歳と33歳、人生初デモに新宿南口へ!様々なものを使って音を鳴らすデモだったので、ベビーのガラガラで音を鳴らしました。

リズミカルな音で意外と1歳も飽きずに参加

「あんしんスタッフ」の方がベビーカーを誘導して下さり、音大きくないですか?と心配してくれました。またデモ参加者は多様なので、日英通訳、UDトーク、筆談の用意もあり、情報保障が積極的に行われています。子連れや、白杖をついて参加していた方もいて、近づき難いと思っていたデモは、多様な人の人権が守られている場でした!

【プラカードを描いてみる】

新宿のデモで掲げるものがほしいと思ったので、プラカードを作りました。イスラエルの攻撃で負傷した、わたしの息子と同い年、1歳のサナドくんは、顔面を200針ぬい、舌の一部を失い、左手を切断。その動画があまりに痛ましく、プラカードには彼を描きました。彼の映像は世界に衝撃を与え、ネット上では彼を描き停戦を求める多くの絵が投稿されました。

プラカード。夫から文字量が多いと指摘。たしかに。

【渋谷のデモに行く】

プラカードを持って、渋谷駅前でのデモ(NO PRIDE IN GENOCIDE!)にも参加しました。レインボープライドと同日に行われたピンクウォッシュ※への抗議で、布で作った巨大な可愛いプラカードを持っている方達が、街の中でとても目を引いていました。クリエイティブ!

素敵なプラカード、クリエイティブ!

※ピンクウォッシュ:「LGBTQフレンドリー」を積極的に打ち出すことで、イスラエル政府がパレスチナ人への人権侵害を行なっている事実を覆い隠し、同性愛者に厳しいイスラム文化圏に比べてイスラエルが人権先進国であると正当化するイメージ戦略のこと

人種もセクシャリティもさまざま

今パレスチナ連帯の活動の中心にいるのは、10代20代の若い人です。東大や早稲田や多摩美で、キャンプや集会が行われています。わたしが大学生の頃なんて自分のことで精一杯だったのに。本当に素晴らしいし大人として恥ずかしい思いです。

アクションは繋がっていく

6月に国会へ提出する「イスラエルのジェノサイドを止めるための請願署名」の呼びかけがありました。代々木上原の本屋CITYLIGHT BOOKさんに署名用紙を置いてもらえないか伺うと、二つ返事で「やりましょう!」と快諾してくれました。それをSNSでお知らせしたら、別の方が「今署名ができる場所まとめ」を作ってくれました。個人と本屋さんで集めた、合わせて20筆を送付、合計2万筆以上が集まったそうです。小さなアクションのバトンは繋がるのだと実感しました。

書棚に置いてくれた本屋さん▶︎マップ作ってくれた方が現れ▶︎本屋を訪れた人が告知してくれた!

おわりに

「悪が勝つのはひとえに善人がなにもしないから。行動をやめるな」Byナワリヌイ

今日本でパレスチナ解放のために行動している人は約1万人だそうです。行動してみて分かったのは、スマホ一台でできることが沢山あるということ!署名、ボイコット、意見、デモ、行動の一つ一つは無力に思えても、多くの人が各々できる手段で意思表明をすれば、それは繋がり、やがて大きな波になると信じています。

できることをそれぞれに

わたしたちの政府や消費が、この世界の構造と、虐殺と、占領と、パレスチナの子供達の権利を侵害することと繋がっているから、わたしは声をあげます。

日本国憲法の前文が、今の私に深く刺さりました。
「われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。

最後までお読みいただきありがとうございました。
まずはスマホから、小さなアクションのバトンを繋いでみませんか?↓

日本から私たちができるパレスチナ連帯行動リスト」をみてみる

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