特別支援教育を受けてきて私が思うこと
私は小学6年生から高校3年生まで特別支援教育を受けました。
具体的に言うと、特別支援学校と特別支援学級(病虚弱学級)にいたことがあります。小学5年生までは通常学級に在籍していました。
今回は、特別支援学校(特別支援学級も含める)と通常学級の両方を経験してきた私が思う特別支援教育について書こうと思います。
本当に障害がある子どもとない子どもを分ける教育はよいのか?
1つ疑問なのが「本当に障害がある子どもとない子どもを分ける教育はよいのか?」ということです。
まずは、私の経験(主に病虚弱学級のときの)を踏まえ私が思うメリットデメリットを書きます。障害のある生徒視点からです。
メリット(障害に合った教育を受けることができる)
障害に合った教育を受けることができること。私にとってはこれが一番大きかったです。というのも私は音と光に敏感です。
なので、通常学級の生徒たちと過ごしているとものすごく疲れてしまいました。特に授業が始まる前の10分休みの時間はみんなそれぞれが友達と話しているじゃないですか。様々な音が聞こえる教室は私にとってつらい環境でした。
病虚弱学級では同じ学校でも教室が違うため、静かで過ごしやすかったです。また、当時は体力が本当になかったので、通常1つの授業は50分でしたが、私は40分くらいで終わりにしてもらい、休む時間を増やしてもらっていました。これは障害がある生徒とない生徒で分けているからこそできたことだと思います。
デメリット(壁を感じる…)
やっぱり壁を感じる。私は友達がたくさんいて、誰とでも話すことができるようなタイプではなかったという理由もあると思いますが、通常学級の子たちに話しかけるのが難しかったです。
私の通っていた学校では、病虚弱学級の生徒はレクリエーション活動や合唱コンクールなどは通常学級の生徒と混じって受けていました。(私の場合は、体調と相談して参加するかを決めていたので、毎回参加していたわけではありません)
経験談①
合唱コンクールのパート練習の際、私がいるグループは、私がいるからという理由で特別支援学級の教室での練習でした。(私は音に敏感で、他のパートの人が歌っているときに私のグループが別の部分を歌う、つまり、いろいろな音がある環境がつらいのでこのような対応をしてもらっていました。)
他のグループは音が響きやすく、歌が上手に聞こえる場所で練習していました。そんな中ある子が「私たちもあっちで練習したかったー。ここだったら音、響かないじゃん」と言っていました。先生は「Moeは音に敏感だから、Moeのいるグループは教室で練習してね」というような説明はしていなかったので、仕方ないとは思いますが、「ごめんね」「私と違うグループだったらもっと良い場所で練習できてたんだよね」と心の中で思っていました。
経験談②
また、普段、通常学級の子たちと話す機会が本当になかったので、気まずい感じになることが多かったです。レクリエーションのときに鬼ごっこのような遊びをしたのですが、私は逃げる方で、通常学級の子(捕まえる方)が「あの、タッチします」と言って私を捕まえていました(笑)
「えっ、なにそれ(笑)」と思いましたが、他の子たちを見ると楽しそうに走り回って逃げたり捕まえたりしていたので、もっと関わる時間が多かったら私も楽しくレクリエーション活動をすることができていたのかなと思います。
でも、私は音に敏感だからという理由で他の特別支援学級の同級生よりも通常学級との関わりを減らしてもらっていたので、仕方がなかったと思います。
特別支援学校のとき
一方、特別支援学校の時は完全に障害がある児童生徒のみだったので、私の体にとっては最高の環境でした。ほぼマンツーマン指導だったので、分からないところをすぐに聞くことができましたし、何かあったらすぐに対応していただくことができました。ただ、一般的な高校生が送る、いわゆる「青春」はできなかったです。ドラマでよく見る、大人数でワイワイしながらの体育祭や学校祭はできませんでした。
短大時代
短大の時、友達に「私は特別支援学級に通っていたことがある」ということを話すと、「私の中学校にも特別支援学級があったけど、ほとんど話さなかったなぁ。たまに一緒に活動するときもあったけど、どうすればいいのか、どう関わればいいのか分からなかった。」と言っていたのが印象に残っています。確かにそうだよね、と思いました。
インクルージョン教育、インクルーシブ教育について
最近、インクルージョン教育やインクルーシブ教育という言葉を聞く機会が増えてきたような気がします。
私は専門家ではないので、インターネットや本からの情報しか頭に無いのですが、現時点ではこのような教育が増えていってほしいなと思っています。そうすることで、障害への理解が深まり、私の短大時代の友達が言っていた「どうか関わればいいのか分からなかった」ということは少なくすることができるのではないかと思います。
ただ、ネットで様々な記事を見ていると、障害の有無で学校を分けるのは良くない、といった記事も見受けられますが、私にとっては「分かれていたからこそ集中して勉強することができた」ということは事実です。
どちらがいいのでしょう?難しいですね。
まとめ
障害のある子ども達とない子ども達を分けるか、分けないか。どちらにもメリットデメリットがありますよね。また、障害がある生徒と大きく括りましたが、障害と言っても様々な種類があります。それぞれ必要としている対応が違うので、本当に難しいですよね。
ちなみに私はチェコの大学に正規留学するのですが、私はダイバーシティ教育やインクルージョン教育について学ぶ予定です。大学で様々な知識を得て、自分の経験と照らし合わせることで、この疑問への答えが見つかるのではないかな、と期待しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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