ねこ×わたし、and捨て猫
今、私のそばに2匹の猫がいる。
1匹は女の子。
といってももう7歳なので、人間なら私より少し若いくらい。
もう1匹は男の子。
まだまだ好奇心旺盛な遊び好き。寝るも食べるも徹底している。
女の子は「るな」。
NPO団体で4ヵ月の兄妹3匹の情報が載っていたので、
訪ねて行って引き取ってきた子。
まあ、行ってみてびっくりの家だった。
そこら中、黒猫を中心に猫だらけ。
ねこが来訪者に興味を示して、
網戸に何匹も張り付いているのって見たことあります?
いやー、圧巻の光景でした。
飼い主はご高齢のご夫婦。
かわいそうと拾ってきたり、家に寄ってきた猫には
ご飯をあげて、出入りは自由という環境。
私が通された部屋だけで、10匹ぐらい。
網戸組が4~5匹、
家の中を我が物顔でうろついているのが7~10匹。
で、時間が経ってから見せてもらった隣室にも
授乳中の母子を中心に10匹ほど・・・。
「もう歳だからねぇ。娘に「これ以上増やしんしゃんな!」
ってい言われててねぇ」とおかあさん。
聞けば去勢避妊は
「あれって、高いとでしょ?それにうちは多いけん、
ちょっと無理やねーって思いよる」らしい。
増えるわけだ...。
(後日、保護団体さんから手術を勧めてもらった)
るなはキジトラ。
典型的なツンデレで、自分の気分で寄ってくる。
今もキーボードと私の間には、るながいる。
でも基本、私大好きで起きている時は
必ず付いて回る。
私が出かけるのにメイクを始めると
必ず察知して、脚にスリスリしてくる。
「私を置いて出かけるの?」という感じ。
(ああ、キーを打ちにくい)
気分が落ち込んでいたり、体調が悪くなった私に寄り添ってくれるし、
主人と口げんかしている時は、私の足の甲にそっと手を乗せて、味方してくれる。
かたや、男の子は「てら」。
大好きな月を、ラテン語で名付けたるなと同じシリーズにした。
日本語では「地球」という訳になる。
実はてらには兄弟がいて、そる(太陽)と名付け、
しばらく一緒に育てていたが、およその家族になっていった。
てらは「笹かま」そのもの。
笹かまがリアルに猫になった感じの毛色をしている。
もともとは、マンションの階段の下に
そると一緒に捨てられていた。
大学生が拾い保護したが、彼は3年生で就活が始まろうとしていた。
飼いたいけど、どこに就職するかわからない状況だったので、飼い主をさがしていたところ、
主人の仕事繋がりで2匹とも一旦うちで預かることになったのだ。
1匹はうちで迎えることが決まっていたので、
もう1匹は、彼が新しい家族を探してくれた。
1ヶ月ほどだったが、仔猫2匹が戯れる幸せな時間を私たちは味わうことができた。
てらは好奇心旺盛なくせに、外に行くと抱きかかえていてもブルブル震えている。
一度、脱走して2週間くらい行方不明だったから、その時怖い思いをしたのだろう。
安全に外を味わいたい時は、2階のベランダのテラスがお気に入り。
時々、脚を踏み外して慌てふためいている。
一度落ちかけて、テラスの網目にしがみついてパニックになったこともあったっけ。
冬場の夜は、私の布団の上が彼女と彼の寝床。
合計8キロを超えるから、布団を引き上げようとすると結構な重量である。
てらはちゃっかりしているので、
一番寒い時期は布団に潜り込んできて、私の腕枕で眠る。
夏はぜーんぜん来ないくせに!
ねこはもともと好きだったけど、
先に逝ってしまう悲しみを味わいたくなくて
飼わずにいた。
フルタイムで仕事をしていたことを理由にしていた。
しかし、フルタイムの仕事を辞めたら
俄然「猫好き」が頭をもたげ、
こちらが健康で、一生を見届けるには今しかないと飼うことを決めた。
ねこの癒し効果は絶大だった。
犬派の主人もあっけなくその虜になり、
家族に新しい会話が生まれた。
美しい曲線の体型、
いい塩梅のぬくもり、
解明されていないゴロゴロ音、
かわいらしいしぐさや寝方。
全てが私にとっての癒しになっている。
ねこつながりのSNSや
岩合光昭さんの写真展と世界がちょっと広がった。
難点は抜け毛。
これには年中悩まされ、各部屋に通称コロコロを置いている。
出かける時は要注意だし、
寝具はしょっちゅうレイコップのお世話になる。
しかし、今やトイレ周り用品は進化していて、
排泄物で困ることはない。
爪とぎも専用のグッズを使ってくれるし、
「猫って、建具に傷をつけるでしょう?」という方には、大いに反論したい。
ただ、目下ねこブームが去り、捨て猫が増えている。
私の住んでいる殺処分0を実行中で、引き取りもしていない。
それで、保護団体さんに捨て猫が集中し、大変なことになっているらしい。
かと言って、殺処分推進派なわけではない。
「今日から新しい家族だね!」って言って迎えませんでしたか?
「ずっと一緒だからね」って話しかけませんでしたか?
なぜその家族をいとも簡単に捨ててしまったのですか?
かわいいとご飯をあげるなら、
ご飯にありつけない子が出ないように病院に連れて行って、手術を受けさせないのですか?
かわいいその子に目を細めているはずでしょ?
2020年から2021年にかけて、
新しく猫を飼い始めた人のうち、仔猫の生体販売は7割になるらしい。
何十万という金額で「陳列」されている。
世界的にも珍しい光景だそうだ。
ねこブームだからと犬のブリーダーが鞍替えして、
猫の生態をよく知らず、命を落とした猫も多いと聞く。
癒しのねこ。
猫を飼うことをぜひおすすめしたい。
それも一生一緒だと約束して、それを果たしてほしいと心から願う一人だ。
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