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HIVは、内服薬治療で、コンドームなしで性行為をしたとしてもうつらないレベルにまでなる時代。最初に治療薬を開発したのは日本人医師

HIVに感染すると、かつては、数年で死に至る不治の病として恐れられていました。しかし、今の時代は、抗ウイルス剤を服用すればHIVは血液などの体液中から検出できないレベルまでなる時代になりました。エイズ治療・研究開発センターの岡慎一センター長は「血液に触れても、コンドームなしで性行為をしたとしてもうつらないレベルと言っていい」と説明しています。もちろんこれはものの例えで、予防策はとらなければなりません。感染能力は96%下がるという研究データも目にしたこともあります。しかし、未だに、HIVと聞くと、恐ろしいHIVの頃のイメージで、差別や偏見があるのも事実です。今回、HIVに感染していることを告げずに就職試験を受けた社会福祉士が、勝手にカルテを見た病院による内定取り消しに対して、訴訟を起こしています。

上記ニュースには、裁判の具体的な応答の一部始終が書かれています。これを読む限りでは、原告側にも、被告側に対しても、賛否両論のあるような内容です。ただし、病院に別の疾患で診察に行った際に、最初の医師には断られ、次に来た医師が防護服を着て出てきたというのは、時代錯誤もいいところだと思います。。

それでも、看護師になって2年目の時だったと思いますが、最初にHIVキャリアの患者様の採血をしたときには、とても緊張したのを覚えています。「いつも通りの採血手技で行えば大丈夫。」と自分に言い聞かせながらナースステーションで採血準備をした光景を今でもはっきり覚えています。

冒頭で書いたように、今は、万が一HIVに感染してしまったとしても、適切な治療を行えば、AIDSを発症することなく、生涯を全うできる時代になりました。

世界で最初にHIV治療薬を開発したのは、満屋裕明医師という日本人のウイルス学者です。いつノーベル賞を受賞してもおかしくないと言われています。

満屋医師は、「安くて副作用がなくて1週間に1回飲めばいい。そんな薬を届けたい。」という想いで、今でも研究にあたられています。満屋医師はスーパーマンのような方です。病気がちだった母、真喜子さんに「人が長生きできる薬をきっと見つけるから」と子供の頃に約束したことが、はじまりだったそうです。満屋医師については、また改めてご紹介させていただけたらと思います。



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