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夏の北極

まあ落ち着いて。

とりあえず僕が今朝書いた記事を読んでくれ。

今からその続きを話すから。


現在時刻は午後6時前。今日も朝から夕までたっぷり授業を受けてきた。授業中に居眠りもしていない。ただの真面目な生徒だ。

ただ、一つだけ問題がある。

少なくとも30時間以上寝ていない。

眠くない。おかしい。どう考えてもおかしい。眠気が来ない。寝たいのに、疲れてるのに。なんで居眠りしちゃわないんだ。

さらに腹が立つのが、起きてるのが全く辛くないということだ。

今だって大きな木の下のベンチっていうお気に入りの場所でこの記事を書いているけど、筆が進む速さもいつもと変わらないし、タイプミスの量も変わらない。「やっぱりこの季節は葉が生き生きとした色をしていて良いなあ」なんて思っている。

今日一日僕と会話した誰も、僕が30時間寝ていないなんて気が付かなかったと思う。ついさっきまで、ずっと元気にテンション高く会話したし、授業中の課題も他の人と同じくらいのスピードで終わらせた。

注意力散漫とか、そう言ったことも一切ない。逆に異常にテンションが高くなってることもない。至って普段通り。ずっと起きていられるような感覚がある。

うーむ。


僕の所にだけずっと夜がやって来ない。ずっと昼間だ。

わしは夏の北極か。(いや白夜になるけど!)

ずっと太陽が僕を照らして休ませてくれないんだよ。

わしは16世紀のスペインか。(いや太陽の沈まぬ国って呼ばれてたけど!)

こんな生活してたらすぐ死んじゃうよな。

わしは19世紀後半のオスマン帝国か。(いや瀕死の病人って呼ばれてたけど!)


ほら、こんなのも書けちゃう。元気。

いや、そんなことより寝たい。こんなの書いてないで早く寝たいんですけど。

でもなあ。明日一限小テストあるんだよな。今寝たらもう朝まで起きないんじゃないか。そう思うと怖さはある。せめて安心できるまで勉強したいな。でも明日結局行けなかったら意味ないし。うーーむ。

いっそ大学なんて爆破してしまって明日はゆっくり眠ろうか。

いや、そんな物騒はことはできない。想像に留めておこう。想像なら自由だ。

本でも適当に積み上げて、その上に爆弾を置くのはどうだろうか。そしてそのまま何食わぬ顔をして帰るのだ。それがもう十分後には大爆発するのだったらどんなに面白いだろう。そうしたらあの気詰まりな大学も粉端みじんだろう。

でも、普通の爆弾なんか置いて行ってもつまらない。

そうだな、檸檬なんてどうだろうか。


って、おい。

わしは梶井基次郎か。(いや檸檬って短編小説のラストそんな感じだけど!)


寝るか。


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