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【実話】限界小学校教諭の日常 勤続10年目 第一章 「憂鬱」

朝、目覚まし時計が鳴り、重たい足取りで起床します。気持ちが落ち込んでいるため、朝の準備も気乗りしないものだ。朝ご飯も食べる気力がない、いやそもそも食べる時間がないくらいぎりぎりまで寝てしまう精神状態。学校までは小型バイクで20分程度。これもいかに仕事にかける時間を少なくするかを考えた結果である。校舎に到着すると、同僚たちとのコミュニケーションも最低限に自分の教室に向かう。

・ここで私のポジションの説明をしておこう。小学校といっても受け持つクラスや仕事は様々で、想像されるのは⚪︎年生の担任の先生だろう。
私は学力が低い児童や何らかの障害を持った児童が所属する特別支援学級の担任。
普通学級のクラス担任になると、受け持つ児童は30人〜40人のところ、特別支援学級の担任は6人〜8人の児童を受け持つ。
人数は少ないが、少ないなりの理由がある。それは後々語っていくとします。名前の通り特別な配慮が必要な児童が在籍しているということである。また、児童だけではなく保護者と特別な配慮が必要なことも含まれている。

話を戻します。自分の教室に向かうと誰も居ないはずのたんぽぽ教室❸に担当している児童のブキ君がタブレットでゲームをしている。
⦅あー、朝からこの子とやりとりするのも面倒くさい。無視するわけにもいけないしな。⦆
私「おはよー!今日は何のゲームをしてるの?」
ブキ『撃つやつ』
私「撃つやつ?敵とかを倒すやつかな?」
ブキ『違う』
私「的🎯を狙うゲームか!」
ブキ『違うって💢』
⦅何で怒られないといけない?これだから話したくなくなる。面倒くさい。⦆
私『あー、ごめんごめん。わからんから見せて?』そう言って寄って見てみると、タワーディフェンスのようなゲーム。確かに説明が難しいゲームではある。
ブキ『ほら、違うって言ったやろ?』
私「せやな…」⦅もうイライラするのも面倒くさい。⦆
私「っていうか、ランドセルの用意は終わらせてるん?」
ブキ『やったと思う』
私「やったかやってないかくらいは分かるやろ?」⦅自分でやったことくらい覚えとけよ⦆
こんなやりとりをしながら、ある程度関わると他の児童のところに向かう。
この子と関わっていてもストレスしか溜まらない。明るいクラス、当たりさわりのないクラス担任がいる所で時間を潰すのが私の一つのルーティンである。何かしているような振る舞いをしながら、クセのない児童と楽しく話をする。これがたまらない。他の先生が目に入るところでは、何か資料を見たり、児童の世話をしている振る舞いでやり過ごす。クソみたいな話だが、これぐらいしないと気持ちがもたない。やっていけない。
ここまででやっと30分
8:20〜8:50までの過ごし方です。

授業が始まると、生徒たちのエネルギッシュな様子や質問に対しても、憂鬱な気分のせいで十分に応えることができません。授業中も気が滅入り、熱心に教えることが難しい状態が続きます。
基本的に授業では、児童によって変わりますが国語と算数は個別対応の授業をします。それ以外の授業はクラスに入り込んで、児童の横について勉強の補助をします。

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