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忘れられない日

私は飲食店でパートをしています。
営業前までの掃除、準備などが私の主な仕事ですが
数ヶ月前より ランチタイムの営業を開始してから
お昼営業には接客もしています。

ランチが始まって、はや4ヶ月が過ぎ
毎週来てくださるお客様や 隔週で来てくださるお客様など
常連のお客様も増えてきたことを少し実感しはじめました。
初めの頃は「ここにお店があるなんて
しらなかった❗️」と言われることもよくありましたが、段々と周知していただけているようで ありがたいです。

まだまだお客さんがまばらな日も少なくないので、これからもっともっと
お店を知っていただけたらいいなあと
気を引き締め直す日々でもあります。


常連さんであっても
店長も私もそんなに会話をするタイプではなく、こちらからお話をふることはないのですが 
例えば同じ会社の方々できてくださったお客様や、お友達と来てくださったお客様が
楽しそうにお話しして料理をまってくださってる様子は
とてもいいなぁと思います😊

きさくにこちらに声をかけてくださるお客様もみえます。そんな時もとてもうれしいですが
1人のお客様が何度も足を運んでくださって、さっと食べて帰られる姿もまた とても嬉しく思います。


そんな中
今日もお店にとって常連さんといえる
男性が、きてくださいました。

その方はいつも 店の1番の売りであるポークステーキを200g、時には300gと毎度注文してくださるお客様でした。

その方とは 注文の伺いとお会計をする時以外、お話をしたことは一度もありません。

今日もポークステーキを1枚150gが
2枚着いた合計300gのダブルポークステーキを注文してくださいました。

今日はとても静かなランチ営業でその方が来られた時はノーゲスト。
今日もいつも通り かわらず
会話を特にすることはなく
静かに落ち着いた店内で
1人美味しく召し上がっていただきました。

そして綺麗に完食してくださって
お会計をしていつもどおり
お見送りをしようとおもった時
その方が、「あの 私ごとで恐縮ですが…」とはじめて声をかけてくださったのです。

店長もすぐに反応しお客様のそばへ
足を運びます。

その方は…
今日をもって職場を変わるので
今日が最後になること、

初めて食べた時に美味しさに驚き
焼き加減のすごさにおどろいたこと、

これからは
こんなにたくさんこられなくなり
食べられなくなることが残念なこと、

そんなようなことを
感謝と共に、ていねいに、まっすぐ
店長とパートのわたしに語りかけてきてくださったのです。

わたしは…
私自身店長の料理の味のファンであり
店長と働いたことのある昔のパート仲間もそうであり
お客様からも
あいしい!たべたことない!というお言葉を
きかせてもらうこともあったのです

が、

私はこの不意の出来事に しばし感動で震えが止まりませんでした。
一度もお話ししたことはないけれど
来店されるたびに、ああまたきてくださった😊と顔見知りの気分ではありました。でもお話しすることが一度もなかったのに
今日が最後だからと意を決して
話しかけてくださった気持ち。。。

料理のことを伝えてくださった気持ち。

恐縮しながらもご自分の新たな旅立ちの話を
聞かせてくださった気持ち。。

このときばかりは他のお客様がいなかったからこそよかったと
思わずにはいられませんでした。

もしこみあっていたら
この機会を失っていたかもしれないのです。

店長は
まっすぐお客様にむき、こころより
感謝の気持ちと
新たな旅立ちへエールの言葉を贈っていました。

私もそばで聞いていて涙が出そうでした

「さみしい…」素直にそう感じました。

最後にドアにむかうその方をお見送りし
いつもと同じではありますが
今日はいつもと違う心もこめて
「また お待ちしております!」と
言葉かけさせていただきました。

まったくこれないわけではなく
機会をみつけて またきたいとおっしゃってくださった、その方の
ご来店を心から楽しみにしています😊


これからも
足を運んでくださるいろんなお客様に
わたしができることは
きちんとしたお店の掃除や、接客ですが(気が利かないので目下修行中です😓)
がんばろう!と思えた日でした。

本当にありがとうございました。す


【本日のまかない】
お店の売りのポークステーキ🥩
ソースがまた、絶妙です
お肉のしっとり感
脂身のカリッとした歯触りと甘み

贅沢させてもらっています。

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