目日記
1995年僕は、電車に乗ってたはず。吊り広告にはそう書いてある。けど周りはみんなイヤホンばかりで新聞を読む人や、本を読む人は一人もいない。嘘だと確信した。これは夢だ。時は平成なのにみんなみんな変だった。
車両を移動しようと考えたら、目の前に従兄弟の女の子がいた。その子も僕に向かって
「やっぱり変だよね」と話しかけてくれた。それに同意をしたけど、華麗にスルーされた。全然見向きもされず。わりと腹が立った。けど夢だしいいや、シカトシカト
二人で移動してたはずなのになぜか気づいたら一人だった。夢だって自覚があるから、どうだって良かった。人間夢と自覚すれば無敵である。だったらやりたい放題したらいいじゃないかと思い、おしっこを漏らしてみたり、大声で叫んでみたり、露出してみたりした。悲鳴をあげる人はいるけど、夢だし通報もされない。
別の車両に移動すると、目玉が落ちていた。特に気にすることなく踏んずけると、従兄弟が叫び声をあげていた。その奥にもたくさんの目玉が続いていた。ケンケンパのリズムで、目玉を踏んでいくと、色とりどりの目玉だったり、人間以外の目も出てきたりして面白かった。七色の悲鳴も聞こえた。悲鳴が合唱みたいになったのはお腹が捩れるかと思った。
たまに人外が、僕の前を横切ったりしたけど無視してケンケンパを続けた。おにぎりみたいな人外で、言葉は分からなかったけど、ずっと「ちょっ、ちょっ…」って言ってた気がする。
一両全部が目玉だった場所もあった。踏めばどこからともなく声がした、さっきまでイヤホンに支配されてた車両も、目玉にまみれていた。多分ここも踏めばレインボー合唱が聞こえるはずだと思い、テンポよく踏むと、おにぎりからストップがかかった。
「踏みすぎ」
多分そんなことを言ってた、ウザかったからおにぎりも踏んだら、ケチャップライスになっちゃった。
おにぎりを踏んだ目玉に包んで、オムライスにして食べたら、案外不味くて起きた。
それが今日の夢だった。
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