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【新人・若手の方向け】黒板・ホワイトボードの書き方

以前、授業の板書をいくつかTwitterに投稿したのですが、普通のツイートと比べて段違いにインプレッション数が多くなっています。
(日常に関するツイートの約40倍)
完全に自己流ですが、一例としての私見を挙げます。

【前提】
テキスト(本文および問題)とノートはセットで成立する

【目的】
文章構造の把握、思考の過程の提示、復習での再現性を考慮

【流れ】

●まずは自分の予習として、テキスト本文に線やチェックを入れながら読み進めていきます。
 その際、特に高3(高卒も)夏までは文章構造の繋がりを意識化できない生徒が多いので、言い換え・因果・例示・対比といった表現同士は「線を繋げ」たり、マークをしたりしておきます(純粋に授業で伝える内容を明確にすることも目的です)。

●解き終わったら、まずは文章の「論の流れ」が一目でわかるよう、どのくらいのスペースが必要かをイメージします。当然黒板・ホワイトボードの大きさにも左右されるので、何面分に渡るかも想定します。
 また、時期や講座によって、上記内容に設問の根拠が見えるようにしておくか、新たな板書として独立して設問の思考過程を表現するかを考えます。
 文章の流れを板書する際は、今は即興ですが、若手時代は板書案をテキスト下部のスペースに書いていました。難関大の問題解説など、とある部分にフォーカスしたいときは、今でもメモをしてから授業に臨んでいます。

●授業では、全体像を示したいときにはテキストの線を引いた部分を基本として書いていきます。ただし、「目的」でも述べた通り、文章構造の把握をメインとしていますので、生徒にテキストへの書き込み(線引き、繋ぐ、チェックなど)を指示するので事足りる際は、この部分はかなり省略します。時には漢字問題の解答だけ書いて終わる時もあります笑
 よって、講座のレベル設定や入試の区分(共通テスト、私大、国公立大)にもよりますが、「全体像」「全体像に設問ヒントを挿入」「完全に設問にフィーチャー」と3つの板書形式ができあがり、どれを採用するかは状況(と授業時間)によります。

●「目的」でも述べた通り、復習で活かせないテイクノートももったいないと思います(あえて落書き帳などに汚い字で書かせて、復習・定着がてら家で清書させる手もありますが)。よって、「テキストとノートを並べれば、自分で授業を再現(=復習)できる」ことを目標に置いています。
 これは、私の高3時の英文法の授業で、上記の通り落書き帳に板書を殴り書きし、帰宅後授業を思い出しながら清書(+その週の範囲の問題演習)することで、1週間で理解できなかった文法項目はなかった、という経験に基づいています(この作業をしたのは英文法だけですが)。「書いて満足」とならないよう、ノート+テキストと復習をどう組み合わせるかを検討する必要がありますね。

【注意点】

●大手予備校のように、黒板に補助線がある場合はそれに沿っていけばいいですが、塾の黒板やホワイトボードなどでは、どうしても字が曲がっていきがちです(特に若手時代、教育実習生などは顕著ですよね)。
 よって、通常の黒板では、黒板消しを使う際には必ず「縦に消す」ことで、チョーク跡による補助線もどきができあがりますので、それを使って書いていくと、歪みが小さくなります(横書きの科目なら真横に消す)。個人的に、適当に消すとチョークの粉が舞うのが嫌なので、それを抑える目的もあります。
 ホワイトボードは、黒板以上に歪みやすい(ペン先が滑る)ので、書く際の立ち位置も考慮します。私の場合は、新卒採用での学習塾で「板書は半身で書け」という指示があったので今もそのスタイル(かつそれで歪まない)ですが、どうしても曲がってしまうなら思い切って生徒に背を向けたり、しゃがんで書いたりでもいいと思います。

●授業をする教室によって、黒板の大きさも異なります。理想は一面で全てを書ききれることですが、大手予備校以外はなかなか難しいので、どう収めるかもその場で判断します。私は学習塾の経験が長かったため、大教室で書くような大きな字が苦手で、大きくなるほどなぜか字が汚くなります笑 ここは今の課題ですが、ある程度対応できたかとは思っています。

●これは基本かもしれませんが、「ノートに書く時間」と「話を聞く時間」は分けるのがよい場合が多いと思います。「書きながら聞く」というのは意外と高度なことで、どちらかに集中させる時間が取れるならそのほうが効果的です。また、「指示しないと手が動かない」生徒も多くいますので、空間管理にも役立ちます。

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以上、とりとめのない感じになりましたが、私なりの板書について取り上げてみました。
ご意見ご感想、異論反論などございましたら、ご遠慮なくお知らせください。


【追記】
肝心の「字体」「色使い」の内容が抜けていました。

●字体は「綺麗でなくてよいが、見やすい」が最低ラインだと思います。いわゆる「フォント」が揃っており、かつ行の歪みがなければよいかと思います。もちろん、「綺麗で見やすい」に越したことはありません。
 ちなみに、私は中学時代から綺麗な字を書く先生の字体を真似して、現在の字に至ります。一応フォントも2つあります笑

●色使いについては諸説あると思いますが、「1年間統一されている」状態を保っていればいいと思います。
 私の場合は、
 現代文:筆者の主張ないし+の心情=赤
     対立事項ないし−の心情=青
     設問関連=黄
 古文:用言=赤、助動詞=青丸、
    助詞=青線、敬語=緑、
    名詞ないし副詞=黄
で表しています。
使いすぎもよくないですが、「板書は商品」でもあるので、試行錯誤していくことも重要でしょう。

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