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黄門ちゃいまの世直し旅/第10話[母の変化]
母/これ、どこかで見たような?
ナレーター/母はとっさに、奥の和室に行き、押し入れから、古ぼけた金庫を取りだし、あるものを握りしめた。
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母/これ、これだわ…、二郎!あの方々を直ぐに
呼び戻しましょう
二郎/なにーママー
母/なんでもいいの、早く行きましょ
二郎/わかった!まだそんなに遠くにはいないと
思う
母/そうね、走りましょ
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ナレーター/母と二郎は、まだ間に合うと信じ、
なりふり構わず走って走って走った。
向こうに小さく見えはじめた、すぐさま2人は黄門さまー黄門様ーっと、周りを気にせず大声を出した。
助さん/ご隠居、なにか後ろから声が聞えるよう
ですが…
ナレーター/格さんも振り返り
格さん/ご隠居、もしや、あの方達ではありませ
ぬか
ご隠居/なんですと…まことあの人たちですな
ご隠居/忘れ物でもしたのですかな
助さん/いえ、ご隠居、確かめましたので…
ナレーター/そうこうしてる間に、母と二郎君が
息を切らしながら、一行の前に到
着。
ご隠居/どうされましたかな…
母/これを見て下さい、ご隠居様、
母/二郎!ご隠居さんから貰った、手拭い見せて
二郎/わかった
助さん/母上が持って来られた物は古きものです
ぞ
ご隠居/なんと…これは…双方とも私どもがこし
らえた、手拭いですな!
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母/ここに全く同じ柄が刺繍してありますの!
菊の模様が…
ご隠居/……
格さん/これは、ご隠居、タイムスリップする前
に立ち寄った、あの湯屋の天一君に差
し上げた手拭いですぞ!
ご隠居/まことに…それがどうしてここに……
母/ご隠居さん、私たちの先祖が大事に保管して
いた物なんですよ
母/さっき、格さんが天一君って言ってましたよ
ね
ナレーター/母は自然と涙がこぼれ出した。
母/その天一って言う人が、天津湯(あまのゆ)
3代目、そして、私たちが子孫なんです。
ご隠居/なんと……こんな事があろうものなの
か……
母/ご隠居さん、疑ったことお許しください
ご隠居/そんな事は、どうでもよいのですよ
当たり前の事をしただけのこと…
ナレーター/母は目をうるませながら、
母/ありがとうございます
母/ご隠居さん、助さん、格さん、ぜひ家(うち)
にお戻 りください
母/ほんとに話したい事がたくさんあるんです
二郎君/おじいちゃん、戻ろー
ナレーター/ご隠居さん二郎君を見て口元を緩ま
せ
ご隠居/お招き頂けるのなら、私どももぜひ、伺
いたいと願います。そうですな、助さ
ん、格さん、
助・格/是非とも…
ご隠居/母上殿の話、私どもにとっても、興味深く、なぜ未来にタイムスリップしてしまったのか……
母/そうですよね……何かヒントでも見つかれ
ば……
二郎/おじいちゃん、タイムスリップの謎解ける
といいね
母/とにかく戻りましょう
ナレーター/一行は母と二郎君と共に、今後の行く末を照らす何かを見つけるため
再び、二郎君の家に戻るのであった。
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続く……
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