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忘れられない夕食

家族が同じサポートを出来るわけではない

もちろんそれは当たり前で
主で動いている私も頭ではわかっていました

それでも間近で常に直球を受ける私と
時々目にしたり話を聞く家族では
温度差があり過ぎて

すべてを共有出来るわけではない
サポートはワンオペという孤独感が
いつも拭えずにいました

娘の不調が回復まで時間がかかり
なかなかすぐに帰宅出来ない日が続きました

毎日いつ帰れるかわからないから
仕事を終え、夕飯を作り
急いで娘を迎えに行く日々

ある日、段取り悪く
夕飯が作れないまま迎えに走った日があって
そんな日に限って
不調はいつもより長引きました

付き添ってくださり帰れない先生方にも
部活や仕事からお腹を空かせて帰る家族にも
申し訳無さと焦りと
何も出来ない自分
何も出来てない自分が
情けないまま時間だけがどんどん過ぎて
ようやく娘が回復しました

車を走らせる頃には
とっくに夕飯の時間も過ぎています

うちはコンビニもない僻地
惣菜でも買って!も出来ません

『ごめんね、急いで帰るからね』
メールを打ってコンビニで
適当な物を買って家路に急ぎます

寒くて雪もチラついて真っ暗な道
なんだか私の心情みたいで
気持ちまで凍り出しそうでした

家に着いて慌てて
コンビニの袋をテーブルに置くと
すでに
うどんと卵焼きが置いてあります

「ちょっと待って温めるわ」
料理が全く出来ない主人が
フライパンでうどんを炒めて

「形崩れたー」
いびつな形の卵焼きを
次女が切ってくれました

それはそれは
見事に野菜が一つも入ってない夕飯でした

料理をしない2人が腕を振るった
うどんとベーコンのナポリタンと
ツナとチーズの卵焼き

それはそれは
私にとって忘れられない最高の夕飯でした

普段、料理をしない2人に
長女が「すごいやん!」と驚くと

「これ(娘の不調)は
家族にとってプラスの事なんやで」
主人が明るく笑いながら言いました

主人の一言にハッとさせられたのと
柔らかい表情になった長女を見て
私も肩の力を抜くことが出来ました。

それぞれのスタンスで
主人も次女も
出来る形のサポートをしてくれている

「今晩は2人がごちそうするから
 まかせといて!」

その返信に気付いてなかった私が
嬉し泣きをこらえながら
最高の夕飯を食べた夜でした。




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