OM-11

2002年冬のワンフェスより、OM規格というディーラーでガレキイベントに参加。遠心使い…

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2002年冬のワンフェスより、OM規格というディーラーでガレキイベントに参加。遠心使い。 型取り複製覚え書きというタグで、X(ツイッター)に複製技法のポイントや小技をつぶやきます。

最近の記事

OM式型取り複製覚え書き その14 夏場の複製作業

 夏のワンフェスは7月下旬開催が定着してます。夏のワンフェスにむけての量産作業は、6月から7月にかけての高温多湿という、複製作業に不向きな環境で行うことになります。  今回のテーマはこれをいかにして克服するかというお話です。 1)夏場の複製作業のデメリット 1-1 シリコン注型 ・混ぜているうちに硬化が始まってしまう ・気泡が抜けにくく、最悪原型周りに気泡が残る 1-2 キャスト注型 ・注型中に硬化が始りがち ・微細気泡が発生しやすい 2)夏場の複製作業 シリコン注型

    • OM式型取り複製覚え書き その13 How to 粘土埋め実践編

      いよいよ粘土埋め実践です。 1)下準備  まず型を取るパーツを並べて配置案の検討をします。  過去作品の原型から、顔・前髪・後ろ髪・ツインテール×2合計5パーツを粘土埋めします。 1-1 サイズチェック  定規やカッティングシートに並べて、サイズをチェック。パーツの厚みも測ります。顔パーツが2cm厚、前髪と後ろ髪が1.5cm厚でした。  ざっと20cm×10cmぐらいの型面積になりそうです。 1-2 パーティングライン確認  慣れないうちはパーティングラインも鉛筆

      • OM式型取り複製覚え書き その12 How to 粘土埋め 理論編 逆テーパーは避けるべし

         粘土埋め基礎編に続いて、理論編です。  粘土埋めで重要なポイントの一つは、いかにして逆テーパーにならない向きにして原型を埋めるかです。つまり、シリコンへの負担が少ない型にするのかです。負担の少ない型=量産数アップ、ということでもあります。  逆テーパーがきつい箇所があると、そのぶんシリコン型が破損しやすくなります。ゴム型ゆえに若干の逆テーパーなら、銘柄次第で問題ないケースもありますが、できるだけ少なくしたいところです。  可能なら原型の段階で逆テーパーをチェックして、きつめ

        • OM式型取り複製覚え書き その11 How to 粘土埋め 基礎編

          粘土埋めは複製の善し悪しを決める、とても大事な作業工程です。 長年のディーラー活動で学んだ、私なりのポイントを書いていきます。 1)ポイント箇条書き ・絶対にアンダーゲート配置、トップゲート不可 ・大きな型に一まとめするのは危険 ・斜めに傾けてパーツ配置 ・複雑な形状なパーツを表にして粘土埋めする ・シリコンケチらず余裕ある配置を ・粘土埋めの前にパーツ並べて配置案検討 ・一気にキャスト注ぐ工夫 ・パーツの上部に湯だまり配置 ・ダボを忘れずに入れること ・ランナーや湯口はあ

        OM式型取り複製覚え書き その14 夏場の複製作業

        • OM式型取り複製覚え書き その13 How to 粘土埋め実践編

        • OM式型取り複製覚え書き その12 How to 粘土埋め 理論編 逆テーパーは避けるべし

        • OM式型取り複製覚え書き その11 How to 粘土埋め 基礎編

          ワンフェスディーラー初参加を考えてる人へのアドバイス

           ワンフェス終了後のこの時期、ワンフェスにディーラー参加してみたいと思っている人も多いかと思います。そこで私のディーラー経験をもとに、実践的なアドバイスを挙げてみます。 ・好きな物・自分の欲しい物を造るべし ・原型が完成した段階で参加申し込む ・一度ワンフェスに一般参加してガレキを買って作ってみる ・事前にワンフェスマニュアルをよく読む ・版権物の合同卓は危険 ・ディーラー名のネーミングに注意 ・締め切り厳守 ・ディーラーカットをまず作る ・無茶な数を申請はしない ・参加費

          ワンフェスディーラー初参加を考えてる人へのアドバイス

          ワンフェスディーラー向け持ち物リストと宅配荷物の注意点

          ワンフェスまであと一週間という時期に合わせて、私なりの持ち物リストと荷物を送るときの注意点をまとめてみました。 1.ディーラー向け持ち物リスト  絶対必要な物 ・ディーラーパス 必ず手荷物に入れること、宅配に入れると会場に入れません ・最終案内 ディーラー受付に必要 ・完成見本 宅配で送ると破損の可能性有り、手荷物推奨 ・提出サンプル 完成品は手荷物推奨 ・商品 量が多いときは宅配で ・お釣り 千円札を最低10枚、可能ならもう少しあれば安心、値段設定によっては小銭も ・展示

          ワンフェスディーラー向け持ち物リストと宅配荷物の注意点

          OM式型取り複製覚え書き その10 複製作業のよくあるトラブルの傾向と対策

           今回は型取り複製作業でありがちなトラブルと、対処方法を書いていきます。まずはどんなトラブルがあるか、列挙してみます。 ・シリコンが漏れる ・シリコンの硬化不良 ・粘土剥がすときに原型持って行かれる ・キャストの硬化不良 ・キャスト漏れ ・シリコン型の破損 何だかんだで良くあるトラブルですが、対処方法をあらかじめ知っていれば、リカバリー出来るトラブルです。 なお気泡対策についてはこちらの記事をご覧下さい。 シリコンの硬化剤入れ忘れ・離型剤塗り忘れ・誤キャストについては

          OM式型取り複製覚え書き その10 複製作業のよくあるトラブルの傾向と対策

          OM式型取り複製覚え書き その9 型作りの大失敗の傾向と対策

           今回は型取り複製でよくある、そして致命的なミスについて取り上げていきます。  ちなみにリカバリーが難しい致命的なミスは以下の通り。 ・シリコンに硬化剤入れ忘れて固まらない ・二回目にシリコン流す時に離型剤塗り忘れ ・A液A液、B液B液といった誤キャスト これらの致命的なミスを回避するのに大事な点をまず書いておきます。 注意力緩慢な状況での作業はさける イベント直前の切羽詰まった状況下で、徹夜続きだとやらかす可能性が高くなります。余裕を持ったスケジュールで量産することが大事

          OM式型取り複製覚え書き その9 型作りの大失敗の傾向と対策

          OM式型取り複製覚え書き その8 キャスト注型時の気泡対策

          常圧注型では気泡が発生しやすく、なかなかゼロにするのは難しいのですが、少しでも減らす対策を考えていきます。 1. 気泡は2種類ある   ・湯口などに問題があって発生する気泡 ・空気中の水分とレジンが反応して発生する微細気泡 前提条件として気泡には二つのタイプがあります。対処方法は別になるので、要注意です。 2.湯口などに由来する気泡対策  このタイプの気泡は、粘土埋めするときに、パーツを斜め配置にするなどすればかなり防げます。型の善し悪しは、粘土埋めに決まると言っても過言

          OM式型取り複製覚え書き その8 キャスト注型時の気泡対策

          OM式型取り複製覚え書き その7 冬の複製作業のポイント

           今この時期は、2月の冬のワンフェスにむけて複製作業に励んでいるディーラーも多いかと思います。そこで今回は冬場の複製作業について解説します。  冬場はどうしてもシリコンやキャストの硬化が遅くなるので、いかにして硬化促進させるかが、量産効率上げる鍵になります。 1.冬場のシリコン型製作のポイント ・使用済みの油粘土は予熱する ・シリコンは湯煎して暖める ・硬化剤は規定量入れる ・加湿する ・電気カーペットなどで直に加熱するのは不可 ・粘土剥がすときは要注意 ・24時間硬化のシ

          OM式型取り複製覚え書き その7 冬の複製作業のポイント

          OM式型取り複製覚え書き その6 シリコンやキャストはどこで買うべきか?

           まず大前提なのが、回転が早い店で買うべきです。  棚の守護神になっているシリコン・キャストは、どうなっているかというと・・・。シリコンは溶剤が揮発して流動性がなくなり、下手すると攪拌すら難しいレベル。キャストは湿気を吸って、微細気泡どころか盛大に発泡することでしょう。  ちなみに新宿の世界堂で、棚の上に鎮座している信越のシリコンを見たことがあります。明らかに回転が低そうで、買うのは正直怖いです。   シリコンやキャストは生ものです。名の知れた通販で買うのがお勧めです。 以

          OM式型取り複製覚え書き その6 シリコンやキャストはどこで買うべきか?

          OM式型取り複製覚え書き その5 複製にあれば便利なアイテム 解説編

          1. キャスト用硬化促進剤  ベルグで入手可能、330円(税込)。冬場の必需品、A液缶にあらかじめ入れて使います。あまり入れすぎると弾力性が落ちて、脱型の時に細かい部分がポキポキ折れるので要注意。120秒タイプを90秒タイプにするぐらいが、ちょうどいい感じ。

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          OM式型取り複製覚え書き その5 複製にあれば便利なアイテム 解説編

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          OM式型取り複製覚え書き その4 複製に絶対に必要なアイテム 解説編

          1. 適度に表面処理・分割された原型パーツ  複製したい原型パーツは、適度に表面処理されて、なおかつ適度に分割してあることが大事です。  表面処理は通常であれば、サフ吹きと傷埋めして600番程度まで磨いてあれば問題ありません。磨きが不足していると、シリコン型の寿命が短くなりがちです。また3Dプリンターでの出力品は、嵌合部などもふくめてきちんと積層痕を磨く必要があるので要注意。  分割はなるべく逆テーパーになる部分を減らす事が重要です。マスキングのことも考えるも大事ですが、分割

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          OM式型取り複製覚え書き その4 複製に絶対に必要なアイテム 解説編

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          OM式型取り複製覚え書き その3 型取り複製に必要なアイテムリスト

          1.絶対に必要なアイテム ・適度に表面処理・分割された原型パーツ ・シリコンゴム ・レジンキャスト ・防毒マスク ・ゴム手袋 ・電子秤(1g単位のもの) ・ポリカップなどの計量容器 ・攪拌用ヘラ・油粘土 ・型取りブロックなどの枠 ・スパチュラなどのヘラ ・離型剤(シリコン用とキャスト用二種類) ・べビーパウダー ・エアブラシとコンプレッサー ・ドライヤー ・スポイト ・目張り用のテープ ・作業用シートとバット ・プラ棒(ゲート設置用) ・ベロなどの注ぎ口 ・輪ゴム ・デザイ

          OM式型取り複製覚え書き その3 型取り複製に必要なアイテムリスト

          OM式型取り複製覚え書き その2 型取りを失敗しないための十の鉄則

          長年の複製作業の経験から、得られた教訓がこちらです。 ・シリコンケチらない、余裕ある配置を ・絶対アンダーゲート配置 ・気泡対策に斜め配置 ・原型はきちんと分割して、表面処理する ・薄すぎる原型は複製困難 ・大きすぎる型はなるべく避けて、型を分ける ・離型剤塗り忘れない ・ダボ打ちを忘れない ・ベビーパウダー魔法の粉 ・防毒マスクとゴム手袋必須 1 シリコンケチらない、余裕ある配置を  シリコンが値上がりしている昨今、非常に言いにくいのですが大事なことです。  節約しよう

          OM式型取り複製覚え書き その2 型取りを失敗しないための十の鉄則

          OM式型取り複製覚え書き その1型取り複製のおおまかな流れ

          始めに  2002年冬に初めてワンフェスにディラー参加して、それ以来20年以上たちました。  #型取り複製覚え書き というタグを、ツイッターに投稿して、自分なりの複製ノウハウをつぶやくようになって10年近くにもなりました。この機会に、自分の型取り複製のテクニックと考え方など、体系的に書いてみたいと思います。  これから書く複製のノウハウは、あくまで私個人の経験による知見です。私以上にすごい知見を持つ方はゴロゴロ居るかと思いますが、こうしてまとめることで、型取り初心者のお役に立

          OM式型取り複製覚え書き その1型取り複製のおおまかな流れ