見出し画像

NISAをネタに保険を誘導(宣伝)するニンゲンがいるので気をつけよう

以前投資に役に立つスキルの話を記事にして、「ロジカルシンキング」が大事だという話をした。今回は良い事例があったので復習を兼ねて記事にしようと思う。

復習のネタにさせてもらうのは読売新聞オンラインに掲載されている以下の記事だ。「始めよう!、お金のレッスイン」というテーマでFPがエッセーと称して「保険」を紹介(宣伝)してイル。重要な部分を抜粋スル。

最近、「貯蓄から投資へ」の流れが加速し、投資に前向きに取り組む人が増えているようです。中でも、「iDeCo」「NISA」「変額保険」の三つは、人気の資産運用方法となっています。そこで今回は、「iDeCo」「NISA」「変額保険」のそれぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介し、どんな人に向いているのかについてもお話ししましょう。

読売新聞オンライン2024/5/1配信記事より

この記事を見て違和感を感じないだろうか・・・

ポイントは以下の部分だ。
「iDeCo」「NISA」「変額保険」の三つは、人気の資産運用方法となっています。

なんでNISAと「変額保険」を並べるのか?

投資に取り組む人が増えているのは事実だが、それはNISAが人気になっているからだ。iDeCoを並べるまでは良いとして、なぜアタリマエのように「保険」を同列に出す必要があるのか??

そして変額保険は本当にNISAと並べるくらい人気商品なのだろうか?

「ロジカルシンキング」で大事な要素のひとつにファクトチェックというものがある。その主張や記事が事実に基づいているかを確認するというものだ。事実をみてみよう。以下は一般社団法人生命保険協会が発行している「生命保険の動向 2023」からの抜粋だ。

生命保険の動向 2023
生命保険の動向 2023

たしかに変額保険の新規契約件数は増加傾向にあるが、全体に占める割合では5%程度に過ぎない。伸びていない個人年金の内訳として入れ替えているだけだ。NISAと並べて人気商品というのは無理があるし唐突感しかない。

では、なぜ唐突にかつさもアタリマエのようにNISAやiDeCoとならべて紹介(宣伝)するのか?

ーそれはこの商品が儲かるからー

NISAやiDeCoは販売側や運用する側にはほとんど利益がない。というかNISAであればネット証券なら販売手数料は無料だ。

しかし保険はとんでもない額の手数料が販売側の懐に入るのだ。この記事にそれぞれ手数料を明記してみると良い。それでも選択する人がいるだろうか。

それに販売が多いからと言ってそれが「人気」ということにはならない。NISAと違い保険、特に変額保険はその性質上対面で提案し勧められて契約スルことが多い。

つまり販売側が売りたい商品というワケだ。

これは巧みな「言い換え」を使っている。例えは悪いが「売春」を「パパ活」や「援助」と言い換えて心理的なハードルを下げているのと変わりない。

勧めて売りつけている商品を人気と言い換えているに過ぎない。

こんなことをスルのは保険の販売で生計を立てているFPは少なくないからだ。もっとも保険の販売員がFP資格を取得していることが多いのでどちらが先なのかは微妙だが。

ちなみに変額保険は一時外貨建ての商品を販売しまくった時期があった。手数料欲しさに乱暴な売り方をしたようで、国民生活センターから以下のような注意喚起がなされている商品だということを知っていた方がヨイ。

自分は保険そのものを否定するつもりやFPが保険を売ることを批判するつもりはない。本当にその人のニーズにあったものであれば問題ない。

しかしこのようなステマまがいの宣伝をするFPはタチが悪いし注意が必要だと考えている(こんなニンゲンがいるから最近はFPが胡散臭がられているという自覚はナイのだろうか)
※ステマ:ステルスマーケティングの略

今回は「ファクトチェック」と「言い換え」が大事というハナシをした。

投資の世界に限らずある程度の知識と「ロジカルシンキング」のスキルがないと、この手合いにひっかかるので注意することだ。

追記
新聞社のオンライン記事がなぜ無料で読めるのかもよく考えておいた方がイイぞ。無料のモノほど高くつく可能性がアル。


※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

掲載する記事は個人の趣味として記載しているものであり、提供される情報は読者の方々にとって適切であるとは限りません。またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。投資においては全て自己判断、自己責任でお願いいたします。いかなる損失が出た場合でも責任を負うことはできません。

この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?