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投資なんておやめなさい?

自称経済ジャーナリストの荻原博子氏の著書に「投資なんかおやめなさい」という本がある。

彼女の知識レベルと発言内容については賛否両論あるようだが、高齢者が金融機関のカモにされないよう啓発している点だけはそのとおりだと思う。ただ、それ以外の内容は息子である君を含めた若い人には不要と思うので書籍の紹介はシナイ。
 
野村アセットマネジメントが実施した「金融教育に関する意識調査2023」によると、投資をしていない人のうち「何があっても投資しない」と回答した人は3割程度で、60代以上に限ると4割以上になるそうだ。
 
他にも「絶対に損をしないなら投資をしても良い」と回答した人の割合も3割なので、投資での損失を許容できない人は6割を超えている。
 
一方で投資を始めた人の情報源は「企業・金融機関」が3割程度で、60代以上に限るとやはり4割以上になるそうだ。

「企業・金融機関」を情報元とする60代以上が多いのは、相対的にWEBリテラシーが高くないためリアル店舗を利用する人が多いのと、金融機関、特に銀行への信頼が高いからだ(昭和の銀行員への信頼度は今と比較にならないくらい高かったのだ)。
 
「何があっても投資しない」と回答した人、特に高齢者の多くは、「投資はしない」と考えているので、投資に関する正しい知識を身に着けていないことが多い。

しかし、そういった人に限って、懇意にしている金融機関の窓口で親切に対応してくれる担当に勧められてに金融商品を購入したりしてしまう。
 
なぜそうなるかと言うと、「何があっても投資しない」と考えている人は、正しい知識と経験に裏打ちされて考えているのではないため、「販売のプロ」である金融機関の話術と親切な対応にコロっといってしまうのだ。
 
では、金融機関に勧められても「何があっても投資しない」という信念を曲げず円で預貯金だけする人は投資の世界と無縁で損をすることはないのだろうか?

残念ながら投資をしない選択をしても損をすることがある。

 資産運用では株、債券、不動産と同じようにキャッシュも資産のポジションのひとつでしかない。そして日本人の保有するキャッシュ=円は世界中の通貨のひとつにすぎず、その価値は為替レートによって日々変動している。

つまり投資や資産運用をしないと言っても、世界中の金融商品やキャッシュの一つを保有していることになり、他と比べて相対的に価値が下がって損をしていることもある。

最近の物価高やガソリンや電気代の高騰は、ドルに対して円の価値が下がったことによることが大きな要因の一つだ。

「何があっても投資しない」人たちは、これらの価格上昇を嘆くことはあっても、円に全振りして価値下落分の損失を出したことに気づくことはないのだ。

※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

掲載する記事は個人の趣味として記載しているものであり、提供される情報は読者の方々にとって適切であるとは限りません。またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。投資においては全て自己判断、自己責任でお願いいたします。いかなる損失が出た場合でも責任を負うことはできません。

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