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それぞれの「やりたい」を叶えるために

ある秋の午前8時。
こどもたちみんなと家を出る。…つもりだったが、

支度していない上の子達を
「約束の時間だから出るね。先にコンビニ行って、昼ご飯買ってるからね。」
と伝えて置いて来た。

出発30分前になっても、支度しないでメディアに没頭していた上の子達。声かけたけど余裕そうだったから、任せてみたらこうなった。

うんうん、焦って困って、自力で工夫したらいい。家族との約束、友達との約束で、いっぱい苦労しておけばいい。


今日はとことん、こどもたちの好きな、やりたいことに没頭する日と決めたのだ。好きなことをするために、我慢しなくちゃいけないこともある。
親の圧力なしで、誘導なしで。
自分は本当に何が好きなのか、切羽詰まったときに何を切り捨てられるのか。
いっぱい経験して、未来に備えて欲しい。

本気で思っているから、こうする。


まん中の子とは、早々に合流。けど、「持っておいで」と私が言った帽子を探せなくて諦めて出てきた。
あ、私も忘れてきちゃったわ。暑かったら、日陰を選んで歩かなきゃ。

上の子は、無茶苦茶ダッシュで後方から走ってくる。角を曲がるギリギリで合流。後で別れて電車で行動するのにも関わらず、カードのチャージをしていなかったとのことで、コンビニで昼食を選ばせたあと先に駅へ向かわせる。

彼は焦っていた。自分のやりたいことの時間に、間に合わなさそうだったから。

以前の私ならなじったり、ほれ見たことかといじったりしただろうけど、もうしない。今できることは、彼に協力することだ。叱咤激励して落ち込ませ、彼が立ち直るまでなんて今は待っていられない。

「走りながら考える」

って、何かで読んだけど、私はそれが自分の性には合っていると思う。長いこと忘れていたが、まさにそう。とりあえず始めてみて、問題が起きたらやりながら対策を考える。その方が、自分にとっては効率がいい。

要領悪いんだもの。悪い方向に考え出したら止まらないし、幅広い対策を練って用意しているうちにやる気が失せてしまう。


後で聞いたところ、彼は何とかして、目的の場所に時間前に到着したそうだ。


さて、ちびっ子軍団とはとある博物館へ。今日はとことん下2人の興味関心に付き合うことにした。わが家、家族全員で行動すると、飽きた・興味なし・誰かが我慢する、といった変な空気が必ず流れてしまう。こどもはよくあることだけど、それを良しとしないでしまっていた。だから、大人のペースで展示を見てしまい、我慢させてきてしまっていた。

こどもを観察するだけでなく、パートナーの行動や言動をよくよく振り返ってみると、自分のペースを大事にしたいタイプなんだと思う。直接本人に聞いてないから想像だけれど。
誰かと予定や意見をすりあわせたり、そのために必要な事を事前に準備したり、相手の気持ちをくみ取ってしたいようにさせてあげたり、時間の許すまでとことん付き合ったりする、ということは、苦手なのだと思う。

私は心の余裕があればできるタイプ。なので、そういう日は私が担当すればいいんだと思う。
ずっと、「家族全員で」行動しなくてはと思っていたけれど、そんなことないな。それぞれにやりたいことを、やりたいタイミングでやったらいいな。やりたい人同士で。個人で。今のわが家の場合は。

問題が起きたら、その時に考えよう。


結局博物館には、開館直後から閉館まで8時間近くいた。歩きすぎてみんな足が棒になったけれど、夕飯もお風呂も歯磨きも抜かりなくやってから眠りについた。


人間1人1人、例え家族であろうと違うのだから、お互いを尊重し合って生きていく。

今までこどもの「やりたい」にフォーカスしてきたけれど、パートナーの「やりたいこと」も、自分の「やりたいこと」も無視してはいけないと、肝に銘じる。


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