見出し画像

私の運命。

私は考えるパターンが多い人が好きだ。

例えばある女性が最近離婚したとしよう。
その時人が考えるパターンは大きくわけて3つに分かれる。
まず、その理由を最大限に考える人。
結婚後の価値観の違いではないか、子供の教育方針の違い、嫁姑問題の悪化、経済的な問題、不倫。
理由は無数にある。

一方、理由を考えられない人もいる。
なぜ?私は結婚してるのに。なぜ?私は離婚していないのに。など主点が自分である人。
そんな人はきっと本人に「なぜ離婚したの」だなんて世間的に見て聞いてはいけない事を堂々と聞いてしまうだろう。

そして、人に干渉しないで完全に脳内で“私は私。あなたはあなた”そう考えられる人。


彼は、興味が全くない人には全く干渉せず、
ある程度興味がある人に対しては攻撃を出来るだけしないように、でもちゃんと相手を思う。

そんな影で見守る形の人だった。



彼とはいわゆるお見合いのようなもので出会った。
これほど顔が悪いわけじゃないし
スタイルも悪くないし、、、でもなんかこの人なあ…。って言うのが正直な第一印象だった。

2回目のデート。
突っかかるのはこの人の独特な空気感だ。
そう確信した。
この人、人に興味あるのかな、?と思ってしまうようなこの感じ。

「今日1日ありがとう。タクシー呼んでるから」
人に興味はないはずなのに優しさはあった。



いやでも結婚となると…。
しかもまだ結婚急がなくても…。



てことでお見合いは断った。




半年後。

私は色々あってあまり慣れない道に1人。
バス停でバスを待ってみるも全く持って来る気配なし。仕方なく少し歩いてみることに。
待って嘘でしょ、?
急に土砂降りの雨が降ってきた。
 
ちかくにあったボロボロの椅子と屋根がある所で休むことにした。
その時は気付かなかったが男性が1人居た事にここで気付く。

「あ、」
『えっ、』
お見合いを断った彼だ。
「傘は?」
静かに首を振った。
「じゃあ買いに行こう」


そう言われて彼から手を引かれた。

雨の中柄にもなく手を繋いで走った。                
小学生のようなこの感覚の気持ちを久しぶりに思い出した。

「こんな所にひとり?」
何にも言えなかった。

だって、、。



私にはあれから恋人が出来た。
その人はあらゆる場面で視野が狭くて自分のペースしか見てないような人だった。
なぜそんな人と付き合ったかは鮮明には分からない。きっと急に寂しくなったから、だろう

この人とは短いだろう。そう最初から思っていた。でもこれ程早く終わるとは、笑


『実はあれから恋人が出来たんだよね、でも浮気現場を見てしまって。だから1人だったの』


なんて返ってくるだろう。

なぜ浮気したかとか聞いた所でってことを聞いてくるだろうか。

だけど予想外なものだった。


「今大丈夫?」
『えっ、?』
「なんか気持ち的に大丈夫かなって」

人に興味関心がないはずのこの人が私を気にしている。心が弱っていたからか嬉しかった。


『正直浮気されるって思ってた。自分から浮気しないとかお前だけみたいなの言ってたけどやっぱり口だけだった。』

「浮気する気がなかったら本人に真っ直ぐ伝えるしかない。」

ん、いや。それでも浮気されたのが私なの。
喧嘩したいんですか、??
文句を言っててもなんか嫌だし味方をされるのもムカつくし。
聞いてみよう。

『どういうこと?』

「口で伝えるんじゃなくて心から伝えるって事」

意味が違った。
あの男のかたを持つわけでも私を慰める訳でもない。単にステキな言葉だった。

この人の考え方好きだ。素敵な人だ。
「さあ傘も買ったしそろそろ暗くなる」
『うん。』
「ここら辺、夜は出るらしいから」
『え?嘘だよね?』
「ほら、無事に家に帰りたいだろ」
彼が微笑む。ああ、この人ほんとに素敵だ。

また手を繋がれた。




帰り道、直感でこの人だと感じた。




『やっぱり私お見合い相手と結婚する』
1度断ったのに失礼なのは重々承知だった。

数日後、相手の家庭から連絡が来たのだ。

やっぱりこの世界、運命は運命。
上手くいかないはずなのに
なぜか上手くいった。








あの時感じた直感の勢いで結婚したが全く間違ってなかった。

この人は、物事に対しての視点ではなく人の心に視点を合わせる人。

そして近くにいるととても幸せになれる。
たとえ良くない話でも、なぜとかそんな感じのつまらない質問ではなく、
私の気持ちを優先して大切にしてくれる。


前、話してくれた心で伝えるとはこういう事だろう。
この人は私を愛してくれている。
だから私ももっと愛そう。そう思わせてくれる。






きっと私は今後、なんならかのアンケートやインタビュー、そして、お腹の私たちの子供に“なぜこの人と結婚したのか”
そう問われた時は胸を張って、運命だと感じたから。と言えるだろう。

この記事が参加している募集

#夏の思い出

26,833件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?