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時には薬以上の力(エッセイ)

手当て。漢字はこの字が当てられる。
その名の通り、てあては、手当て、なのだ。

時に手というのは、掌というのは安らぎを与えるものだと私は思っている。

真冬だと冷たくなってしまう時もあるが人の程よい体温の掌は、とても心地が良いと思う時がある。
けれど、その心地よさは自分ではない、誰かの掌の方が心地よさが何倍にも感じるの事が、私自身とても不思議だ。

何なのだろう、私ではない誰かの掌の心地よさは。

ささいな事だと、ぶつけたところや、頭を撫でてもらったとか、痛いところを擦ってもらったなど。
人の掌に触れる事は、一度はあったと思う。ただの掌だと言うのに、触れられると安らいだり、落ち着いたり、痛みが引いたりするのは、本当に不思議だ。

今でこそ「手当て」は、治療という意味で当てはめる事が殆どだが、昔では文字通り手を当て、触れることで心身の不調を和らげる癒やしの一種として捉えられていたと書いてある。

また、手には自然治癒力を高める不思議な効果もあるらしい。

本当に不思議なことだ。

掌で全てのモノが治ったり、和らいだりするわけではないが、人の持っている掌の温もりは、とても不思議で、でも、とても優しいものなのかもしれないと、私は思う。


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