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流れ、流され、忘れていく…(エッセイ)

『人の噂も75日』
ことわざであり、よく使う言葉。

そんな噂とは違うけれど、毎日小さいスマホを開いてニュースを見れば、沢山のニュースや情報に溢れている。

それこそ、そんな小さい画面から繰り出される情報は、時に、自分の知りたくないものまでも目の前に写し出してくる。

それでも月日が流れれば、そんな数日前の情報は風のように飛ばされ、川のように流される。

次と次と新しい話題が上がって登ってくる。

その時は『これは覚えてよう』なんて思っても、その数日後には忘れ、思い出した時にはもう、話題にすら上がってこない。

そんな流され、溢れるものの前に、私はただプカプカ浮かんで、その時、その時噛み締めていくことで手一杯。

大きな戦争が始まっても、特に動きがなければ連日のテレビ放送は鳴りを潜め、段々と日常から切り離されていく。

そこの人達にとっては、ずっと続いているものなのに…だ。

私はそれに、何とも言えない罪悪感に似た感情を持つことがあるが、罪悪感を持った所で、自分にはどうすることもできない…。

溢れ、こぼれ、流れ、流される時の中に居る様な自分。

そして、関心事が薄れ、頭の中からそれを封印して忘れていく準備をしている自分。


……やるせなくて、なんとも言えなくて、どうしたらいいのかもわからない。


そんな、情報に溢れている今に、私は居る…。

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