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「子どもを気に掛けてくれる人が居る」という安心感〜子ども達の幼稚園時代の思い出〜

先日、久しぶりに、ある人とバッタリ再会しました。
子ども達の通っていた幼稚園の近くにある不動産屋さんのおじさんです。
その不動産屋さんのおじさん・おばさんは、我が子、ぴょん子・ピョン太の年の離れたお友達でした。

このお二人は、娘ぴょん子が入園してから息子ピョン太が卒園するまでの5年間、ほぼ毎日、「行ってらっしゃい」「おかえり」と声を掛けて下さいました。「このおじさんおばさんがいてくれて、本当に良かった」と、何度も思いました。
今日はそんなおじさんとおばさんとの思い出のお話です。


おじさんおばさんとの出会い

3歳の娘ぴょん子の幼稚園生活という新たなステージをむかえたばかりの頃。私たちとおじさんおばさんは出会いました。

当時の私は移住して数年が経っていましたが、相変わらず夫と親戚とスーパーのおばちゃん以外話す人がいない状態でした。見知らぬ土地で1歳半違いの年子の子育てに奔走して、疲れ果てて毎日が過ぎていった時期でした。

登園中、植木鉢のお花に水をあげているおばさんに、娘が「何してるんですか?」と話しかけたのです。
幼稚園までの道にある、昔ながらの不動産屋さん。
あの「何してるんですか」の日から、娘は「おじちゃん、おばちゃん、おはよー!!」と大きな声で挨拶するようになりました。おじさんとおばさんは、いつも「おはよー。今日も元気だねぇ。いってらっしゃいー」と返してくれました。

「おはよーーー‼」とハイタッチ

しばらくすると、毎朝、私達が通る時間にお二人が外で待っててくれるようになりました。履き掃除をしたり、お花に水やりをしながら。ぴょん子の姿が見えると「ぴょん子ちゃーん!」と手を振ってくれて、ぴょん子も「おはよーーーー‼」と遠くから挨拶。不動産屋さんまでダッシュしてハイタッチしていましたね。
私は1歳半の息子ピョン太をおんぶして、ぴょん子の送迎をしていました。お二人は私の背中のピョン太にも「ピョン太くんも大きくなってきたね~!!」と声を掛けてくれ、「いってらっしゃい。幼稚園、頑張るんだよー」と送り出してくれました。

朝の「おはよーーーー‼」とハイタッチは、ぴょん子とおじさん・おばさんの毎朝の儀式になりました。

「ただいまー」

幼稚園からの帰り道。
娘は、お二人の姿が見えないと不動産屋さんのドアをノックして「おじちゃんいますかぁ??」と声を掛けるようになりました。お仕事で忙しかったら悪いな、お邪魔にならないかな、と私はハラハラしましたが、おじさんとおばさんは「おかえりー」と言って引き戸を開けて「待ってたよー」とニコニコして話してくれました。

別の日。
引き戸をノックして「はーい」と中から返事が聞こえると、娘はひょっこり引き戸から顔だけ覗き込み
「おじちゃんおばちゃん、ただいま〜」と。
その後、ちょっとだけお話して「ばいばーい」と言って帰る、という事もありました。

引き戸の奥では、おじさんおばさんと、息子さん夫婦がそれぞれデスクで何やら作業中の事が多かったと思います。

そんな中でも嫌な顔をせず娘に接してくれて、とても有難かったです。
「ああ、私、ここで子育て出来て良かったな」と思えました。

お友達と弟ピョン太も引き連れて

ぴょん子は、数か月後には時々お友達も連れて行くようになりました。
おじさんは嫌な顔一つせず、どの子にも「おかえりー」と言ってくれました。
私とママ友も「お仕事中すみません」と言いましたが「いいのいいの!!小さい子が来てくれて嬉しいから!!」と、おじさんおばさんはニコニコしていました。

その2年後には弟のピョン太も入園し、ピョン太もおじさんおばさんに「行ってらっしゃい」と「おかえり」を言ってもらえるようになりました。

それからピョン太が卒園するまで。
おじさんとおばさんは、ほぼ毎日、子ども達に「いってらっしゃい」と「おかえり」を言ってくれました。
私がお迎えに行くときも「おかあさん、いってらっしゃい。またあとでね。待ってるよ」と声をかけてくれることが多かったです。

嫌な顔一つせず毎日「おかえり」と笑顔で迎えてくれたおじさんおばさん。
もちろん、忙しい時は「おかえりー。今日は忙しくてねー。ごめんねー。ばいばーい」と一瞬で解散になることもありましたが、必ず「おかえり」を言ってくれました。

こんな大人が増えてほしいし、こんな大人になりたい

5年間の幼稚園生活。ほぼ毎日、我が子ぴょん子とピョン太を気にかけてくれたおじさんおばさん。
小学校は幼稚園と逆方向で、卒園後、お二人とはほとんど会わなくなっていました。
ぴょん子もピョン太も、卒園するときにおじさんおばさんにお手紙を書いて挨拶に行きました。
その時に書いた手紙を、おじさんは今もデスクに飾ってくれているそうです。

「ぴょん子ちゃん、もう中学生になったかー。大きくなっただろうねぇ。またいつでも声かけてよ。おじちゃん待ってるからさー」
先日の再会で、おじさんはニコニコしてそう言ってくれました。

風邪で休んだ次の日には
「昨日どうした?お休みしたの?風邪ひいちゃったの?あったかくして寝るんだよ」とか
夏の暑い日の帰り道には
「今日は暑いよね。ちょっと入っていきなよ。麦茶飲める?一杯だけ飲んでいきな」と涼しい事務所の中に入れてくれたりとか(私も一緒です)

とにかく、地域に、我が子達の事を気にかけてくれる存在が居るんだと実感できたことが嬉しくて有難くて。見知らぬ土地での子育てが凄く安心できました。
「お子さんの事、気にかけているよ」と思ってくれている人が近くにいると分かるだけで、親としては凄く安心できました。
凄く凄く有難かったです。

こういう大人がたくさんいる世の中であってほしいと思います。安心して子育てできる人が増えるんじゃないかな。そして私も、そういう人になりたいと思っています。

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