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僕がスターバックスで働くわけ
2020年 冬
僕は現役の大学受験に失敗したため、浪人生活を送っていた。
しかし成績はなかなか上向かない。それでも刻一刻と迫る本番の日。
当時は新型コロナウイルスが猛威を振るっていて、予備校では原則、人と話すのは禁止だった。なので予備校には友達がいなかった。そして身の回りの友達はみんな現役で大学に行ったので、不安を共有する相手もいなかった。
次第に病んでいった。間違いなく人生で一番病んでいた。
毎日下を向いて歩いていたし、明日がくることがとても怖かった。
勉強も次第に手がつかなくなり、塾で勉強するのが嫌になった。
そこでスターバックスで勉強することに。
これがある意味転機だった。
「意外と捗るかもしれない」
と思って通うようになった。
週2~3回通って勉強するようになったある日、
いつもと同じようにそのお店のレジに行くと
「こんにちは!いつものトールの抹茶ティーラテでよろしいですか?」
と。なんと僕のことを覚えてくれていた。
そして、最後に一言
「いつも勉強されてますよね。僕も浪人の経験があるので、この時期とても辛いのわかります。大変だと思いますけど応援しています。」
(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)
本当にうれしかった。
このたった一言にどれだけ救われたことか。
浪人しているなんて言ってないのに。ましてや辛いなんて言ってないのに。
僕自身から発せられていたシグナルからすべて読み取っていたのでしょう。
この時僕は差し迫る受験の日などサッパリと忘れて決心した。
僕も大学生になったらスターバックスでアルバイトしようと。そしてこのお兄さんみたいに誰かの心に寄り添える人になりたいと。
結果的に大学受験は失敗したが、大学生にはなれたし、スタバの採用面接も合格して憧れへの第一歩を踏み出すこともできた。
そうして、今はかつての自分が憧れていた側に立って働いている。
人としても、いつか誰かの背中をそっと押すことが出来るような人になりたいと思っている。
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