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「あなたのため」は誰のため?

「あなたの事を思って言っているんだよ」

よく聞かれるフレーズです。
親子、友人、教師と生徒、上司と部下や同僚同士など…
ですがこのフレーズが出て来たら、少し注意が必要です。

本当にこの想いから言っているとその本人は思っているでしょうし、このフレーズを使っている本人自身、他意はないと思っているはずです。
余計なお節介かも…くらいは思っているかも知れませんが、基本的に相手の事を心配してこのフレーズを使っていると考えられます。

ですが本当に「相手のため」を思って言っているのか、立ち止まって思い返して下さい。
その「相手のため」は本当は「自分のため」になっていないでしょうか?

そこに「自分が正しい」という想いがあり、それを相手に「押し付けて」いませんか?
そしてその相手を「自分の思い通り」にするために、このフレーズを使っていないでしょうか?
その相手を支配しようとしていないでしょうか?

このフレーズは使い方を間違えると、その相手は余計に反発してしまうことになってしまいがちです。

その相手にはその人の考え方があり、その人の価値観があります。
このフレーズはやんわりと、その相手を「否定」することになっています。
つまりこのフレーズを攻撃的に言い換えると「お前は私の言うことを聞いていれば良いんだ」となるんです。

確かにその相手の方に非がある場合もあります。
そのまま進んでしまうと、誤った方向へと突き進んでしまうこともあるでしょう。
ですがその相手も「自分が正しい」と思ってその行動をしています。

こういう場合はまずその相手がどうしてそのような行動を取っているのか、或いは取ろうとしているのかをしっかりと聴いてあげることが大切になります。
そこにある想いをしっかりと受け止めてあげて、その上で「でもこのまま進んでしまうとね…」と、その先に起こりそうな出来事を伝えるようにして下さい。

「あなたのため」を本当に思うのであれば、まずその相手の想いを受け止めてあげて、相手の価値観を認めてあげて、そこから自分が伝えたい想いをそのまま、伝えるようにして下さい。


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