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「感情を知る」カウンセリング

私が学ぶカウンセリング技法で最も大切なことは「傾聴と共感」です。
これはカウンセリングを学ぶ際、一番始めに学ぶことで、カウンセラーとして活動する上で一生学び続けるモノです。

「傾聴」とはお客様の話を一言一句漏らさずに聴き取ろうとする姿勢のことで、とにかく目の前に居るお客様に集中することが必要となります。

そして「共感」とかお客様が「感じている」ことを「同じように感じ取ろう」と努力する姿勢を言います。

カウンセリングに限らず、相手が感じていることと「同じ」ように感じることは不可能です。
それまで生きて来ている人生が全く違うわけですから、それは無理なことなんですけど、出来る限りそこに近付けるように努力する姿勢で居ること、という意味が含まれています。

ですがアダルトチルドレンの多くは、その「感情」が分からないまま話していることが多いことに、カウンセリングをしている中で気が付きました。

自分が悲しいのか、寂しいのか、つらいのか、それともうれしいのか、楽しいのか。
そういった種々の「感情」が分からないまま、淡々と自分の事を話す方が多いんです。

自分にとってつらい話をしていても、表情を変えずただ淡々と、時に笑みを浮かべながら話される方も居ます。
これは通常の人間関係の中でもそのままで、このような話し方をしてしまうと相手にはその真意が伝わらず、誤解やすれ違いが生じてその関係性がうまく行かなくなってしまうんです。

ですが自分では「自分の感情」、言い換えれば「自分」が分からないまま人間関係を築くやり方しか知らないため、何でいつも人間関係が壊れてしまうのかが分からず、自分が悪いと責めてしまっていることも多くあります。

そこで私はカウンセリングの中で「感情を意識してもらう」ようにしています。

表情を観ているとその感情が動いた際、微妙に変化があります。
その時を逃さず「今、あなたのココロの中にはどんな感情がありますか?」と訊くようにします。
これをしつこいぐらいに訊きます。

また日常生活の中でも「自分の感情」を意識してもらうようにお願いします。
すると少しづつですが、話の中に感情を表す言葉が混じるようになって来ます。
これが出来るようになってくると、その表情も変化して来てそれまで淡々と話していた方が、話に熱を帯びるようになったり、或いは悲しみに暮れた話し方になってきたりするんです。

人間関係がうまく行かず、生きづらさを感じている方は自分の「感情」を意識してみることをお勧めします。

頂いたサポートはカウンセリング普及活動などに使わせて頂きます