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「きょうだい(きょうだい児)」を知る

だいぶ遅くなってしまいましたが、4月10日は「きょうだいの日」でした。

改めて「きょうだい(きょうだい児)」とは、以下のような方を指します。

病気や障がいなど特別なニーズのある人のきょうだいを「きょうだい児」と呼ぶことがあります。

病気や障がいのある子どものきょうだいたちは、子どものうちから、不安や寂しさ、罪悪感、プレッシャー、悲しみ、怒り…いろんな気持ちを抱え、感じながら、大きくなっていきます。子ども時代に抱えた経験、複雑な気持ちは、たとえきょうだいの病気が治っても、きょうだいさん自身が大人になっても、帳消しになるわけではなく、大人になってもしんどい気持ちを抱え続けるきょうだいもたくさんいます。
(NPO法人しぶたねホームページより)

介護・看護が必要な家族が居るという意味では、きょうだいもヤングケアラーです。

自分の兄や姉、弟や妹が常に介護・看護が必要なため、子供の頃からその世話を引き受けている場合もありますし、親がどうしても障がいや病気を持った子に集中してしまい、自分の事を見てもらえないという寂しさやそこから「自分をもっと見てもらいたい」と感じたり自分は病気じゃないんだからしっかり手伝わなくちゃ」と考え、進んで障がいを持ったきょうだいの面倒を見たりすることもあります。

他にも年頃になると自分の兄弟姉妹がそのような障がいを持っていることを恥ずかしいと思ってしまい、友達に知られたくないと考えてしまうことに罪悪感を感じたり、親がその子ばかり面倒を見て自分を観てくれないことに怒りを感じてしまったり、そこから「私はいらない子なのかな…」などと考えてしまうケースもあります。

また親御さんの中にも、健常の子と障がいや病気を持った子とどちらも「大切な我が子」として平等に接しなくては…と思いつつも、なかなかそれが出来ない自分を責めてしまう方も居ます。

私のところにカウンセリングに来られる方の中にもそういう方はいらっしゃいますし、障がい者支援施設で働いていた頃も、そのようなご家族と接する機会がありました。

このような子供時代を過ごすきょうだいも「子どもらしく過ごせない環境」で育つという意味で、オトナになって生きづらさを感じるアダルトチルドレンとなってしまいがちです。

このような家庭環境も機能不全家庭といえるのですが、親が毒親かと言えばそうでない場合も多く、個人的には機能不全家庭として扱ってしまうのには抵抗があるんです。

以前、ヤングケアラーについて書いた記事の中で「地域社会の協力」という点を取り上げましたが、きょうだいもやはり地域社会とのつながりがその子たちを助けられる、と考えています。

きょうだいと思われる子たちに、声を掛けてあげるだけでもその子にとっては嬉しいことだったりする場合もありますし、これは地域のオトナ達が「私たちはあなたの事を見ているよ、気に掛けているよ」というメッセージになると思うんです。
そしてその一言が「自分は独りじゃないんだ」とその子が感じられたら、それだけでも安心出来るはずです。

誰かに「自分」という存在を認めてもらう経験がどうしても少なくなりがちなヤングケアラーやきょうだいにとって、そういう一言がとても大切になるわけです。

ご近所さんでそのような子がいたら、会った時にでも声を掛けてあげられる社会。
そんな優しい社会になってもらえたら、と切に願います。


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