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厄介なお客様

カウンセリングを受けに来るお客様にも、色々な方が居ます。

悩みを抱えている、という点は共通しているんですけど、中にはその悩みに対する自分なりの「答え」を持っていて、その答え合わせをしに来る方が居ます。
こういう方って結構、厄介だったりするんです。

自分が抱える悩みに対して「○○だと思うんですよ」とか「〇〇すれば良いんじゃないかって思うんですよ」とか、自分なりの対処法、答えを持っていて、それをひたすらぶつけて来るんです。

中には心理学用語を連発してくる方もいます。
もう私なんかよりよほど詳しんじゃないかってくらいの知識を持っている方もいます。

「それだけ分かっているのなら、試してみれば良いんじゃないのかなぁ…」と思ってしまうんですけど、それは言わずにひたすらその方の聴くわけですが、こちらが話を聴いているだけだとだんだん不満を感じるようになるのも、こういう方の特徴です。

その答えが正しいかどうかは、その人がその答えに従って行動することで、その人が思い描いていたような結果になるかどうかが分かるモノですよね。

けど、自分が出した答えが正しいのかどうかが不安で、自分以外の誰かにその答え合わせをしてもらって、その相手に背中を押してもらわないと行動が出来ない。

自分以外の誰かに「うん、それで良いんじゃない」と言われて行動して、失敗に終わってもそれは「良いと言った相手のせい」にすることで、自分が傷付くのを予防しようとしているんですね。

そもそもこういう方に限らずですが、カウンセリングに来られる方の多くは「失敗」そのものを恐れるため、それまでと違う行動をしない、というところもあります。

これは幼少時の環境の中で「失敗」をすると怒られる、ということが頻繁にあったりすると、オトナになってそのようになってしまいがちです。

問題は自分が出した答えを自分で信じることが出来ない、というところなんです。

自分で考えて自分で出した答えを、自ら信じて行動をする。
その結果を踏まえてうまく行けばそれで良しですし、失敗しても自分が出した答えのどこに間違いがあったのかを検証することも出来ます。

ですが自らを信じることが出来ていない人は、自分が考えて出した答えを「自分」で信じられないため、自分以外の誰かにその答え合わせを求めるわけです。

それが友達だったり、同僚だったりするわけですけど、とりわけこういう方は「権威」に弱い側面もあるので、立場がしっかりしている人や「先生」と呼ばれるような人からのお墨付きを得ることを欲します。

ですがそれは明らかに「依存」が存在していて、自分の人生を他人に決めてもらう、という生き方になっているのですが、様々な知識を持っていてもそこには気づけていなかったりするんです。

そこを伝えると自分が求める答えどころか想像もしていない、その人にとっては的外れな指摘を受けてしまうし、そもそも「答え合わせが出来ない」わけですから「否定された」と捉えてしまい、中には怒り出す人もいるんです。

つまり自分の出した答えや考えは、自分の中では絶対に正しい、と思っている反面、そんな自分を信じていない自分もいる。

とても矛盾した生き方をしているし、こういう方の多くは短気で、怒りっぽい面があります。

更に「自分の思い通りの答えを言ってくれない」「自分の思い通りに動いてくれない」相手を「認めてくれない」「受け止めてくれない」と敵視してしまうため、人間関係がうまく行かなくなったりしてしまいます。

明らかな法律違反とかルール違反でない限り、自分の答え合わせは自分の行動によって検証する。

それがずっとうまくいかないとなればそれは「答えの出し方」、つまり自分の考え方や思い込みに問題があると理解出来ると思うので、そこからカウンセリングで自分の内面と向き合うようにしてみるのも良いかも知れません。

頂いたサポートはカウンセリング普及活動などに使わせて頂きます