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ああ君と出会えて良かった

マスクの有無に関わらず声出しが解禁。久しぶりに制限が全くないライブが帰ってきた。

ライブ前の様子

アナウンスから場内に流れていたBGMの音が大きくなり暗転。「アカシア」のイントロの最初の部分がループで流され、メンバーが1人ずつ入場してきた。最後には藤原基央が他のメンバーを追いかけて花道の先まで来て入場して来る。そして右手でネックを掴み、ギターを高く掲げた。

会場のボルテージはこの時点でMAX。そこで最初の曲、『アカシア』が始まった。PIXMOBが赤外線に反応し会場は青色の光に包まれていた。『アカシア』が終わった後に4人が輪になり『ダンデライオン』。昔の曲で特別ライブ定番という訳では無いだけに、盛り上がりは凄まじかった。そして、藤くんの「今というほうき星」にファンが応える形から始まった3曲目の『天体観測』。サビでは金テ銀テを発射しアリーナの後方まで舞い上がった。

ツアーロゴやメンバーのサインが入った金テ

声出してよくなったんです。 ライブに君の 声が帰ってきたんです! やったー!
『あ~今のとこスベったな…』みたいな悲し い思い、 孤独な思い、 僕はしないでしょうか?
大丈夫でしょうか? (笑) 44歳のおじさんです けど、年甲斐もなく欲しがります。 存分に答え てください。

藤原基央

「ここ(花道)をおじさん達で並んで歩いて…おじコレですよ」と増川弘明。ヒロの自己採点95点、藤くんの採点105点のヒロのMCの後に直井は「肩に力を入れて抜いて、今その状態がめっちゃ声出る状態です!」と力の抜き方講座を開催。最初から飛ばしすぎたのもあってファンも体を休めていた。

長いMCの後、4曲目に『なないろ』。メインステージで演奏する4人に会場は‘“なないろ”に包まれていた。『透明飛行船』では演奏が止まるハプニングが起こる。藤くんは「今のは俺!(笑)全然違う曲が始まると思った。なんかあった? なんもねえよな!笑」と言って場を取り持った。サビ直前の「それからどうした…」に合わせてみんな手を挙げていた。そして『クロノスタシス』。ジャケの色が緑だったためか、ライトは青色が貴重で新鮮な気持ちがした。

藤くんは「ライブは声を出さずに聴くのが自分のスタイルですという人も全然いいぜ、君の好きなように聴いてほしい。僕たちが曲を出して、君が受け止めてここに来てくれて会えた、これが全部です。」と言っていた。そのためか、ゆっくりめの曲は手をふ振らずじっと聴いている人も多かったと思う。

続く『Small world』では2番のサビの歌詞が好きだったため感動を抑えられなかった。ツアーでは11年ぶりの披露となった『魔法の料理 ~君から君へ~』、9年ぶりの披露となった『プレゼント』は観客を魅了した。

藤くんとヒロはツアー中各地を回ったことを振り返り、チャマが感謝の言葉を述べた。メンバー紹介ではチャマが 「ボーカルギター! 作詞作曲 ! 今日は黒Tなのかいっ!デニムに革靴かいっ!こいつがいないと始まんねえ! 藤原基央 ! ! 」 と言い大歓声が起きる。自分のアイデンティティはマイクを使わないことという升秀夫は自己紹介の後、大事なことだからと「ツアーファイナル」と2回叫んでいた。

「ふざける」と言って起こった、be thereたまアリコールは比べるものではないが、今回のツアー史上1番いいとチャマは言っていた。

ジェスチャー付きで歌ってくれた『新世界』。2番の「ハズレくじばかりでも君といる僕が一等賞」の後の藤くんの挙動が面白かった。イントネーションを変えたり声量を変えたりして「ベイビーアイラブユーだぜ」をファンと掛け合いは、どこか音楽でひとつになった感じがした。『SOUVENIR』ではカメラを素早く動かして、MVみたいな疾走感あるライブ画面をスクリーンに映していたのが印象的だ。続く『Gravity』では歌詞が好きでライブ前によく聴いていたため、イントロで声をあげてしまった。そしてツアー中に発表した『窓の中から』ではどのパートでもいいから皆で歌おうと藤くんが言っていたため、大合唱となった。スクリーンは1:1の“窓サイズ”の枠組みで映し出されていた。


歌声うれしかったぜ、ありがとな。この曲書いてよかった。

藤原基央

ライトの演出が激しく(多分)曲が終わっ後に藤くんとヒロのグータッチがあった『月虹』、「Happy Birthday」を皆で歌った『HAPPY』を経て、代表曲の1つ『ray』。「生きるのは最高だ」と叫ばせてくれるバンドはそうそうないと思う。最後の曲『supernova』では演奏が終わった後もアンコールを求める揃った歌声がアリーナいっぱいに広がった。

アンコールに応えて『embrace』を演奏し、『ガラスのブルース』で続けた。大サビでは藤くんはファンにマイクを向けた。

ここでステージに藤くんのみが残り喋り始めた。

君は今日はどうやって来たの?昨日までどうやって生きてきたの?それをすごく知りたい。昨日までどうやって生きてきたのか、明日からどうやって生きていくのか、僕にはわからない。それがもどかしいんだ。今日が終わってまた明日からの日常に戻っていくんでしょう。今日も日常の一つなんだけどさ。僕が君の明日についていくことはできないよ。でも僕にできないことでも僕の作った曲なら。君が望んでくれさえすれば、家にも学校にも会社にだってついていくことができる。曲作る時は1人でスタジオで歌ってるんだけど、曲作りで煮詰まってる時、全くフレーズが出てこない時もある。でもマイクの先に曲が完成したら聴いてくれる君を想像することで開けた道がこれまでいくつもある。君がいることで灯台のようにこっちだって教えてもらってるんだ。僕が曲を作るのはライブで届いてることを感じるため。チャマがベースを弾くのもヒロがギタ一弾くのも、ヒデちゃんがドラムを叩くのも全部そのためなんだよ。ほんの2時間だけど、これだけ深くつながれたのに僕は君たちの日常についていくことはできない。でも僕の音楽はそれができます。君が望んでくれさえすれば君の日常についていける。君がいることが歌う理由になります。27年やってこれたのは君の存在があったからです。どうもありがとう。

藤原基央

そして「時間大丈夫? もう1曲付き合ってもらえる?」と言いギター一本で始まった『宇宙飛行士への手紙』。ヒロのギターソロの前の「行け!増川弘明!!」最高だった。ヒロ、チャマ、秀ちゃんもステージに上がり演奏をすると、4人で手を繋ぎ肩を組み花道を歩いていた。

藤くんが新しい曲を近く発表すると言うとメンバーは姿を消し、ツアー『be there』は幕を閉じた。

BUMP OF CHICKENのライブの意義

27年活動してきて、このツアーをやって、最近ようやくわかったことがあります。ライブとは僕らの音楽を受け止めてくれた人に会う場所です。コロナのせいでしばらくの間、みんなの前でライブがやれなかったことも手伝って気付けたことだと思います。

藤原基央

この言葉の通り彼らのライブの意義は単に生で曲を演奏する聴くということでは無く、アーティストとファンが“会う”という行為をすることだと強く感じた。

その他

・ライブ中、ギターやベースをちょくちょく変えていたことが印象的だった。藤くんが鼻水が溜まってしまいティッシュを要求していたハプニングもあった。
・整理券があるためフォトスポ、グッズの回転率が良かった。ライブ中もこういう所でもスタッフは優秀。あとすみっコの完売速度が異常だった。
・ライブ終了に併せてホームページのリニューアル、オフィシャルアプリ「be there」を発表した。このアプリの有料版は実質的なファンクラブと捉えていいだろう。

歌詞変え等

・『Small world』まるまるの月を 君の目に探す
・『魔法の料理 ~君から君へ~』その謎は僕より大きい 君が解くのかな こんな風に 僕と解くのかな
・『新世界』世界はシャボン玉で明日消えてもおかしくはない すぐ素直になれるよ ひねくれたままでも抱きしめるぜ!」
・『Gravity』いま君がそこにいることを僕は忘れ ないから
・『Happy』(間奏)会えて嬉しいぜお互い生まれてこな かったらこんな夜はなかったんだ だったら さ、君のバースデーはハッピーなんだ きみ がきみの声できみに言うんだよ、 おれが手伝 うから27年やってるおれに任せろ。
・『ray』(曲前)全部ちょうだい、全部置いていくから(最高だ前)さぁ今夜くらいはいいだろう、きみの声 で聞かせてくれ! 生きるのは、、
・『supernova』君の存在だってこうして歌い続けるけど本当 のありがとうはありがとうじゃ足りないんだ 忘れたくないんだ君と歌った今だけは今日だけは  誰の存在だって世界では取るに足らないけど僕らの歌は君があって生き延びた

BUMP OF CHICKEN『be there』5.28
Tour Final @さいたまスーパーアリーナ
セットリスト

1.アカシア
2.ダンデライオン
3.天体観測
4.なないろ
5.透明飛行船
6.クロノスタシス
7.Small world
8.魔法の料理~君から君へ~
9.プレゼント
10.新世界
11.SOUVENIR
12.Gravity
13.窓の中から
14.月虹
15.HAPPY
16.ray
17.supernova

En 1.embrace
En 2.ガラスのブルース
W En.宇宙飛行士への手紙

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