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果たされなかった約束

こんばんは。食べていたおにぎりを半分落としたアラフォーです。

勿体無いけれど、超潔癖症なので、ゴミ箱にグッバイ(ノ_<)

今回の桜の画像は、通院先のクリニックで活けてあった桜を、許可を得て、パシャり。ど素人が撮影したので、ピンボケしまくりです。

今日は、少し長文になるかもしれません。お急ぎの場合は、ご用を先にお済ませ下さい。

桜の咲く季節になると、母と交わした約束を思い出す。

整形外科の通院の帰り道、母が運転する車で、桜の咲く通りを通り抜けてくれた。

「来年こそは、花見がしたいね!」と、車窓から見える桜を眺めながら私が言うと、母は喜んで、「それまでに、体調が良くなっていたら良いね。楽しみだね。」と言ってくれた。

「うん!楽しみだね。来年は、花見が出来るように、頑張るよ。花見、しようね。」と私。

母は、私の様子を見て、ニコニコしていた。

その年の6月に、母は、永遠の旅路に赴いた。

私は、お見舞いすらも、満足にしてあげられなかった。外出困難な状況は、今よりも当時の方が酷かったからだ。

当時は、精神科に通院するのがやっと。それも、母と一緒でなければ、無理だった。

姉に指を折られた。ずっと前から、家族に対して繰り返される家庭内暴力。父という抑止力が無くなり、エスカレートしていた。憎かった。死んで欲しいと、心から願った。

指の手術を受けた。

母は、私の整形外科への通院を支えてくれたが、この頃から、酷い体調不良だった。

母が入院した。

私が指の手術をした病院と、母が入院した病院が同じで、整形外科に通院した際には、母を見舞うことが出来た。

整形外科の通院の日。死に物狂いで通院、診察を終えて、母の病室を訪れた。

「指の術後も順調だよ。もうそろそろ、通院も終わるかも。心配は要らないよ。」と報告。

相変わらず、怒鳴りに来ていた姉。「今日は母には私が付くから帰れ!」と言って、黙らせた。

なかなか会えない分、近況の報告や、他愛もない母との話に、花が咲いた。

面会時間ギリギリまで居座って、「また来るね。」と言って別れた。

私が通院を頑張って、お見舞いに来たことが嬉しかったらしく、母は、別れ際まで、ずっと、喜んでくれていた。

「また来るね。」の中に、私がどれだけ頑張らなくてはならないか、を、母はよく知っていた。

だからこそ、その言葉に、とても喜んでくれた。

亡くなる1週間前だった。

もっと、生きてくれると思っていた。

まさか、そのお見舞いが最後になるなんて、思ってもいなかった。

大好きだった。もっと一緒に生きたかった。

早く精神病が治ることを、誰よりも望んでくれていた。

病気が治ったら、行きたかった所やしたかったことが、沢山あった。

母も、それを楽しみにしていた。

人の最期は突然やって来る。

人生の終わりは、誰にでも訪れる。

人は、最期に向かって、今を生きている。

分かっているけど、今でも、悲しみの矢が、心に深く突き刺さったまま、抜けることは無い。

そんな私の心なんて、知ってか知らずか、無情にも、時は過ぎ、また何度目かの春がやって来る。

桜の咲く季節になると、母と交わした約束を思い出す。

私に桜が咲くのは、いつになるのだろうか。



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