マガジンのカバー画像

読んだ

264
読みます
運営しているクリエイター

2023年3月の記事一覧

3/28 『疾風ロンド』を読んだ

父が脳梗塞で入院したとき、病院の売店で買ったのがこの本だった。暇つぶしにでもどうかと渡したものだが、どうも読まれることはなかったようだ。というか読めるような状態でもなかった。なにぶん、脳梗塞の症状についてろくに知らなかったもので。悪いことをしちゃったなと思っている。 そして時は流れ、こうして結局自分で読むことになったタイミングでちょうど父の七回忌が訪れたことは、果たしていかなる巡り合わせの妙なのか。まあ、偶然でしかないんだけど。 などという、本の内容とは何の関係もない身の上話

3/23 『SGU 警視庁特別銃装班』を読んだ

現代~近未来の日本を舞台に、治安が極度に悪化した東京で銃撃爆撃どんと来いの大都市大捕物活劇ということで、ノリとしては『シュピーゲル』シリーズに近しきものを感じるので、久々にクランチ文体が炸裂するとこ見れるかしら、と期待していたら、そこに現れたのは……『刃牙』だった。クランチ文体ではなくイタガキ文体だった。 ドキュメンタリー番組のように、物語の何年か後に事件の関係者に当時の所感を語らせたインタビュー記事、というていで書かれているのだが、銃撃戦や修羅場の最中に「証言」がちょくちょ

3/15 『竜殺しのブリュンヒルド』を読んだ

映画のポスターみたいな表紙イラストおよびデザインに惹かれて買った。やはり電撃文庫の白地は良い。 竜に育てられた娘を主人公に、竜を殺した人間への復讐譚という話の性質もあってか、語り口の視点がどこか一拍置いた、やや突き放した距離感を覚えた。おなじ電撃文庫でいうなら『キノの旅』のような感じに似ている。最初に主人公が人間の街に行ったときも3日で十分つってたし。 竜殺しの娘の物語に関しては、文句のつけようもない。つけたいが、つけようもない。父が復讐を望まないことも承知しつつ、人間が殺す

3/10 『ヘルドッグス 地獄の犬たち』を読んだ

購入したのはこの文庫版が発売されてすぐで、その後映画化が発表され、公開されるまでには読めるかなーと思っていたが間に合わなかった。そして映画も、なんやかんやで結局観逃がしてしまった。いつかどこかで観れたらと思う。 のっけから凄惨な殺戮劇が展開されて、主人公の兼高も躊躇なく人を殺し、容赦はないのだと知る。囮捜査や潜入捜査が違法でやっちゃいけないこととされているというのが、理解はできるがいまいちピンとはきていなかったのを、ピンどころかガツンとこさせられた。なんかこうして文章にしてみ

3/4 『Fate/strange Fake⑧』を読んだ

「良いラノベ」とは何か。俺にとって一つの回答は、描かれたシーンに対し「俺ならこうする」というのが浮かんでくるシーンがあるラノベ……それが「良いラノベ」だ。 「俺ならこうする」などと言いつつ実際は読んでいたそれを9割流用し、一番上にパパッとチョイ足しじみて自分好みのエッセンスをふりかけたに過ぎない、いわば他人の妄想を使ってする妄想でしかないんだけど、その是非はともかくとにかくそういうのが勝手に頭に浮かんできて読むのを中断までしてしまう、そんなようなことがあったときは、こりゃ良い