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2020年10月の記事一覧

10/24 『世間とズレちゃうのはしょうがない』を読んだ

面白かった。 伊集院光と養老孟司による対談エッセイ。互いに全く異なる道を異なるやり方で歩んできた二人だと思うが、師弟問答のように、あるいは親子問答のように軽快に響き合っている。自分たちの生き方について語るなんて、そこそこしんどいだろうに。ある程度年齢が行ってるからだろうか。 伊集院さんの話はふだんラジオでよく聞いてることもあり割とスッと入ってくるので、半ば一体化しつつ養老さんの回答に耳を傾ける感じで読んでいた。「モノとは対象を五感のすべてで捉えられるものを言う」という考え方は

10/22 『図書館の魔女 第一巻』を読んだ

面白かった。 とはいえまだ序盤も序盤であるので、面白かったと過去形にするのもまだ早いような気もする。初めて読む作家だが、描写が細密で濃い空気がある。ただ土木・建築関係や植物、あと料理なんかは俺の知識が薄いのであんまりそこ緻密にされるとそれはそれで読み込むのに時間がかかるが。図書館の概念や言葉の話なんかは多少は聞きかじったTIPSがあるので興味深く読めた。指話の創作過程も言語の誕生物語としても面白いうえにマツリカとキリヒトの親密度もうなぎ上っていくのでWドキドキだ。文字通り挨拶

10/18 『七つの魔剣が支配するⅥ』を読んだ

面白かった。 己の命を消費して復讐の道を歩むオリバー、その代償もまた尋常ではない……のだが、ここキンバリー魔法学校では命を懸けて大望を果たさんとする奴には事欠かないんだよなあ。とても重い覚悟と執念の道行きだというのに、少し上の先輩たちがその横をスーッと駆け抜けて去って行く。ほんとこの学校をちゃんと卒業できる生徒って何人なんだよ。未だに最上級生に対して言及が無いのが不穏だ。 どうやら今巻で2年生編が終わりらしいが、暗躍だけしてればいい期間は終わり、いよいよ誰もが動き出さねばなら

10/9 『デリバリールーム』を読んだ

面白かった。 妊婦を5人集めてデスゲーム、かと思えばデスというほどのゲームはなく、むしろゲームの外の現実にこそ死の危険と脅威は溢れていた。とりわけ妊婦にとっては。 そんな危険と危難を乗り越えて我が子の幸せで安全な出産を掴み取ろうと奮闘する妊婦たちには、結局のところやはり好感しか持てない。ぜひとも全員幸せになってほしい。 作品としては、西尾維新の新境地という触れ込みは、今まであんまり母親というものが大きく作品に出てきたことがなかったことを考えると、確かに新境地。まあ「娘」を持つ