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2020年4月の記事一覧

4/28 『新本格魔法少女りすか』を読んだ

面白かった。 16年を経てのようやくの文庫化、そして新作も始動開始、と、とてもめでたい。こうしてあらためて読んだ第1作も、あらためてとても楽しめた。 しかしそうして初めて読んだ時から随分経って改めて読み返すキズタカの言動は、……やっぱカッコいいんだよな。「口の減らねえガキだな」と思うかと思ったら、全然そんなことねえや。未だに小学生相手にカリスマを感じている。まあ、意外と抜けてるところも多い(というか、そういう描写がなされてる)んだなと新たに発見する部分もあったが、それでも、だ

4/24 『掟上今日子の設計図』を読んだ

面白かった。 相も変わらず哀れとしか言いようがねえ隠館くん逮捕の導入から、忘却探偵の介入、それを利用した犯行計画、事件の途中で発生してしまう忘却とそこからの建て直し、等々、『忘却探偵』シリーズのギミックを過不足なくふんだんに取り入れた、とても完成度が高いというか……栄養バランスの五角形が限りなく正五角形に近い作品だったんじゃないかと思う、今作。劇場版感がすごい。 小ネタもちょいちょいくすぐられて飽きなかった。「被疑者が事件に関わっていたかどうかのアリバイ証明」に、「その時は別

4/19 『ぼくらのコブラ記念日』を読んだ

面白かった。 瀬川さんの死と、そこに絡んでくる陰謀。もっとも陰謀サイドはあんまりぼくらでどうこうする感じではない。七福神や、珍しく再登場した『ぼくらの大脱走』の敵役などといろいろ策略を巡らすが、最終的にはその陰謀の重みに耐えかねて自壊するようにして終息する。 七福神ことラッキー・セブンの人たちは、元盗賊団のノウハウで高度な何でも屋みたいなことを仕事にしており、それはまるでぼくらがいたずらでやってきたことをそのまま仕事へとつなげてたらこうなってた、みたいな感じでちょっと面白い。

4/16 『ヒト夜の永い夢』を読んだ

面白かった。 昭和初期。天才、超人と名高き南方熊楠。粘菌で思考する自動人形。天皇機関。などといった単語に惹かれて買った本だけど、惹かれたはいいものの、実のところそれらのことを全然知らない。昭和初期のことも、南方熊楠も、登場する様々な人物も、最大でも名前聞いたことがあるくらいのレベルで、勢いでやっちゃったなと最初は思ったのだが、だのに面白く読めた。なかなかすごいことだと思う。南方熊楠という稀代の偉人の造形が見事だったのだろう。名前とイケメンであることくらいしか知らなかったけど、