4/19 『ぼくらのコブラ記念日』を読んだ

面白かった。
瀬川さんの死と、そこに絡んでくる陰謀。もっとも陰謀サイドはあんまりぼくらでどうこうする感じではない。七福神や、珍しく再登場した『ぼくらの大脱走』の敵役などといろいろ策略を巡らすが、最終的にはその陰謀の重みに耐えかねて自壊するようにして終息する。
七福神ことラッキー・セブンの人たちは、元盗賊団のノウハウで高度な何でも屋みたいなことを仕事にしており、それはまるでぼくらがいたずらでやってきたことをそのまま仕事へとつなげてたらこうなってた、みたいな感じでちょっと面白い。実際にはぼくらの面々はそれぞれに自分たちの進路を歩むのだが、その敵であった者達がぼくらの振る舞いを継承するとは。彼らのスピンオフを想像してしまう。
あと今回の相原だけど……英治が誘拐されて消息不明になってしまったとき、ひとみと相原が揃って英治という存在の大きさに気づくみたいな一幕があるが、今まで気持ちを宙ぶらりんにさせ続けてきたひとみはともかく、相原まで今自覚してんの!?という衝撃。中学高校と6年間あんだけ一緒にいて、それで『英治がいないということが、こんなにも自分に影響することを相原は気づいていなかった。』て……! 全くお前は!
そしてとうとう訪れる瀬川さんの臨終。末期の言葉も素敵だった。

さて次作はついに『ぼくらの魔女戦記』。全三部作というぼくらシリーズでも最大長編にして、最異色作……と言われているかどうかはしらん。なぜなら1,2は読んだこと無いので。何故か3だけ読んでいたんだよな。なので初めて読むという意味でも、楽しみ。

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