4/24 『掟上今日子の設計図』を読んだ

面白かった。
相も変わらず哀れとしか言いようがねえ隠館くん逮捕の導入から、忘却探偵の介入、それを利用した犯行計画、事件の途中で発生してしまう忘却とそこからの建て直し、等々、『忘却探偵』シリーズのギミックを過不足なくふんだんに取り入れた、とても完成度が高いというか……栄養バランスの五角形が限りなく正五角形に近い作品だったんじゃないかと思う、今作。劇場版感がすごい。
小ネタもちょいちょいくすぐられて飽きなかった。「被疑者が事件に関わっていたかどうかのアリバイ証明」に、「その時は別の事件に関わっていたのでその事件には関わっていませんでした」というのは、以前にも見たことがある証明方法だぞとピンときたが、これはまあファンサービスと言うほどのことでもないか。ネタの使い回しと言うほどのことでも。ままある証明方法か。
脇役が優秀かつ善良であったのもよかった。特に原木巡査、功労賞を差し上げてもよろしいのではないか。「路線図ありませんか?」っていきなり聞かれて、即座にアプリで、しかも地図アプリと併せて立ち上げてみせる即応力。これは将来が楽しみだ。

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