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2020年3月の記事一覧

3/28 『七つの魔剣が支配するⅤ』を読んだ

面白かった。 進級による新たな授業で世界観や(今はまだ)物語の本筋からは離れたような遠大な設定を開陳するとはズルい(?)。魔法学園ものはこういうことができるのだな、と感心しつつ、こういう話は大好きなので興奮した。 前半の学園生活パートでは、相変わらずピートがヒロインよりもヒロインしている。まあ、オリバーがピートに手厚いのは、発展途上のピートにまだ無垢だった頃の自分を見ているからなのかもしれない。自分が決定的な変質を迎えることなく、真っ当に育っていたらこうなっていたのではないか

3/18 『この素晴らしき世界』を読んだ

面白かった。 東野幸治から見た愛すべき吉本の先輩・同期・後輩芸人の半生と生き様が語られた本。そういう「語り部」として東野幸治という芸人を見たことは今まで無かったけど、いざこうして語られてみれば、成程こんなにその役回りが様になっている人もなかなかいないのではという気になる。章末の扱われている芸人からの近況報告も、エピソードを自ら付け足す者、やる気が無いのか恥ずかしいのか素っ気なく一言で済ます者、あるいは本文にめちゃめちゃ注釈入れてくる者など、さまざまに特徴が表れていて楽しい。

3/13 『横浜駅SF』を読んだ

面白かった。 以前から気になっていた作品ではあったけど、いかんせん横浜にも横浜駅にもとんと縁が無いので読んでもちゃんと楽しめないんじゃないか、「横浜駅を知らなくても楽しめますよ!」と宣伝されてもご当地ネタとかあったらしゃらくさく感じてしまうんじゃないか、と思い敬遠していたのだけど、少し前に横浜に行く機会があったので、駅併設の書店で買った。ちょっと乗り降りした程度で買っていいんならとっとと地元で買えよという話だが。 そんなんで読み始めてみれば、まあ横浜駅を知らずとも問題なく楽し

3/7 『ぼくらの校長送り』を読んだ

面白かった。 時期は3年生の夏休み序盤。前巻が夏休み明けからだったので、時間は若干遡っているのか。ひとみの友人の姉が津軽で教師をやっているが、教師からのいじめに遭っているので助けに行こうというお話。傭兵かよ。もう身の回りに敵がいない。遠征してまで巡り合う「悪い教師」も正直まったく脅威ではなく、赤子の手をひねるように次々と制圧していく。敵としては物足りなかったが、女性陣の美人局、安永のケンカ術、天野の声技、谷本のメカニック、秋元の芸術など、ぼくらメンバーがこれまで培ってきた技術

2/29 『黄昏のブッシャリオン』を読んだ

徳カリプスにより、徳の高い人物は解脱してしまうので悪い奴らロクでもない奴らしか俗世に残らず、必然的に世界が荒廃していく……「良い奴ほど先に死んでいく」を地で行く世界観。でも生き残る奴らは生き汚い奴らなのでそれなりに生きていける。成程。ポストアポカリプスもの、終末ものってどういうモノなの?って質問に特定の作品名を出さずに答える場合「登場人物たちの徳が低い世界」って答えるのは割とアリかもしれない。 荒廃した都市間を巨大仏像たちが闊歩し、その下を人類が動き回る情景はたいそう魅力的だ