2/29 『黄昏のブッシャリオン』を読んだ

徳カリプスにより、徳の高い人物は解脱してしまうので悪い奴らロクでもない奴らしか俗世に残らず、必然的に世界が荒廃していく……「良い奴ほど先に死んでいく」を地で行く世界観。でも生き残る奴らは生き汚い奴らなのでそれなりに生きていける。成程。ポストアポカリプスもの、終末ものってどういうモノなの?って質問に特定の作品名を出さずに答える場合「登場人物たちの徳が低い世界」って答えるのは割とアリかもしれない。
荒廃した都市間を巨大仏像たちが闊歩し、その下を人類が動き回る情景はたいそう魅力的だけど、しかしなにぶん今巻だけだと世界がまだ小さくて期待がつんのめってしまう。脚注などで世界観を広げてくれるのもいいのだが、それを読んで本文に目を戻すと一層キャラクター達の動きがこじんまりしたものに思えてやきもきする、という難点はあった。次巻は出ないのかなあ。ウェブ連載は完結してて無料で読めるようだけども。

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