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意外!? パフォーマンスの高いチームほどミスが多い理由〜「4つ不安」後編

こんにちは、心月です。以前「4つの不安」について取り上げました。

ざっとおさらいするとこんな感じ。

■無知の不安
「こんなことを言ったらバカにされるかもしれない」
■無能の不安
「ミスをしたら怒られて取り返しがつかないかもしれない」
■邪魔の不安
「いいアイデアがあるけれど、足手まといに思われるかもしれない」
■否定の不安
「反対意見を言ったら仲間はずれにされるかもしれない」

「これ、全部あります!」という方も少なくないようです。でも、大丈夫。ただのシステムだと理解すれば無意味にエネルギーロスをすることがなくなります。

では、前回のつづき。さっそくいってみましょう。

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■不安とストレスをちゃんと考えてみる


前回までの内容は、ボクたちは、ココロの安全性が保てないとさまざまな不安でいっぱいになってしまい、人間関係や仕事、クリエイティブの世界に大きな影響を与えてしまうというお話でした。


ココロが安定している状態のことを、“心理的安全性”と呼びます。

後半編では、心理的安全性が低い環境は具体的にどのようなリスクがあるのか?詳しくみてみたいと思います。

おさらいしたい人はコチラからどうぞ▶︎対人関係を脅かすリスク「無知」「無能」「邪魔」「否定」という4つの不安


仕事をはじめ、対人関係のなかで学習をしたり協力をしなければならない現場で、不安というものがいかにストレスになるのか?をお伝えしましたね。

結論からいうと「不安」がボクたちのやる気を引き出すことも、クリエイティヴィティを高めることもありません

なのでリラックスしている状態や、不安要素の少ない環境作りというのは、自分のポテンシャルを活かそうとするときに欠かせない重要ポイントでもあるのです。

時代が目まぐるしく変化し、ココロの安定を意識せざるを得ない現在。オンライン化が進み、コミュニケーション力の多様性を問われています。
だからこそ、メンタルの安全性を熟知して、自分自身を守るスキルを持つことは、ますます重要視されるです。

では、どうしたら心理的安全性がキープできるのか?

ある実験のお話をご紹介しながら解説してゆきたいと思います。ちょっとだけ難しい言葉がでてくるかも知れませんが、そこはなんとなーくい読み流してくださればOKです。

大切なのは、それがどうなっているのか?の“システム”を知ることなのですから。

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■クリエイティビティを下げる「不安」の正体


心理学者のエドモンソン教授は、ある医療機関を対象にパフォーマンスの高いチームの特徴を研究していました。

彼が出した仮説は、「パフォーマンスの高いチームほど医療ミスが少ない」というものでした。確かに、なんとなく想像できますよね。

ところがです。結果は見事にこの仮説を裏切りました。

パフォーマンスの高いチームほど、“ミスの報告の数が多かった” のです。

驚いたエドモンソン教授は、データを整理していくうちにあることに気づきました。

パフォーマンスが高いチームは、医療ミスが多いのではなく、現場での「ミスの報告」が多いということに。つまり、パフォーマンスが高いチームは、心理的安全性が高く、ミスをしても怒られない安心感があるため、ミスをしたときに正直に報告できたのですね。

いっぽう、パフォーマンスが低いチームは、ココロの安定感が乏しく、ミスしたことを報告したら「怒られるかもしれない」「評価が下がるかもしれない」「この失敗が大変なことにつながるかもしれない」と考えたのだそうです。

このことから、当初の仮説とは異なる調査結果となりました。
つまり、心理的安全性が低いチームではチーム内に不安を抱えているため、正直な報告がなされなかったのです。でも、実際には、ミスの数は報告数よりもずっと多かったと発表されたのでした。

ミスが許されないチームにいた経験がある人は、ここまで読んで「ああ、だからか」と納得なさっているかもしれませんね。

ボクたちが行動を起こしたときに生じるミスや、制作のプロセスで起こる失敗や数々のトラブル。予測不可能なさまざまなできごとの先に、ボクたちの可能性が眠っていると言っても過言ではありません

それなのに、ココロの安全が保てない環境化では、そのようなチャレンジや学習の機会を損なってしまい、自己印象操作が働いてしまうのです。

つまり、せっかくのチャレンジ精神や成長を逸してしいると言えるのではないでしょうか。

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■扁桃体とストレス

上記したように、心理的安定が保たれない現場では、自己印象操作が行われチームの生産性を低下させます。また不安によって脳の働きが低下することで個人のパフォーマンスも低下させてしまいます。

「無知」「無能」「邪魔」「否定」という4つの不安が、アイデアが湧いても、ストレートに表現したりチャレンジすることが難しく感じられ、自由度が妨げられてしまうからです。

ここまでのお話をシンプルにすると、ボクたちが自分らしく活動するときに、不安はプラスにならないのです。ですが、生きている間、不安がなくなることはありません。

不安が完全になくなるとき、それは命が終わること。

仮に、避けたい感情を感じずに、ストレス反応することを避けていては、生きる喜びや感動、他者を愛する気持ちといった、生きる上で欠かせない幸せの感覚も薄まってしまいます。そんなのは嫌ですよね? 

それには、不安について正しい知識を得ることが大切です。自分にとって望ましいココロの安全を熟知し、体型的に考えてゆくことは、ボクたちの幸福度をより高めてくれるヒントがたくさん得られるからです。


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ボクたちが一生つきあってゆく不安という感情。不安やストレスが起こるとき、ボクたちの脳の中では何が起こっているのでしょうか。ここからさらに、不安と脳の関連性について考えてみましょう。

感情を司っているのは脳の扁桃体という部分です。そのほか扁桃体は、記憶や、他者の感情を解釈する時にも働きます。

特に恐怖や不安に深く関わっているが知られていています。生きるうえで常に危険がないかを察知し、ストレスシステム(HPA系)を発動させるセンサーの役割を果たしているのですね。

HPA系は、視床下部、下垂体、副腎が連動して、アドレナリンやコルチゾールなどのストレスホルモンを分泌するストレスシステムです。
システムなので自動です。つまり、自分の意思でコントロールすることはできない。

このHPA系というストレスシステムのお陰で、ボクたちの祖先は、ジャングルでライオンなどの獣に出くわしても生き延びることができました。

なぜなら、HPA系が作動しストレスホルモンが分泌されることで、必要なエネルギーが作り出され、ドキドキと鼓動が早まり、全身に血液が送り出され、目の前にいる獣から全力で逃げたり、戦ったりすることができたからです。こう考えてみると不安を感じることって、ボクたちの生命活動を守ってくれるありがたいシステムなんですよね。

ここまで大丈夫でしょうか? ちょっとだけ専門用語がたくさんでてきましたね。(もちろん。覚えなくてもOKです)

次に、この自動システムについてイメージしてみましょう。

■現代はジャングル? 不安と扁桃体


ジャングルの中で獣に遭遇するようなアクシデントが去れば、本来、HPA系は落ち着き人体は通常モードになります。
ですが、現代の「仕事場」というジャングルではそうはいきません。現代のジャングルには、ハイエナのような同僚や、猛獣なみの手強い上司、もしくはサルや狐のような後輩がいるかもしれません。

決してジャングルの獣のようにボクたちの命を奪うことはありません。その代わり、彼らの存在が「4つの不安」をもたらすことはありそうですね。
ここでもう一度おさらいしてみましょう。

■無知の不安
「こんなことを言ったらバカにされるかもしれない」
■無能の不安
「ミスをしたら怒られて取り返しがつかないかもしれない」
■邪魔の不安
「いいアイデアがあるけれど、足手まといに思われるかもしれない」
■否定の不安
「反対意見を言ったら仲間はずれにされるかもしれない」


このような不安が扁桃体を活性化することが脳科学で確認されています。

扁桃体は、常にスイッチがオンになっていて感度良好です。ですが、精度はあまり高くないといわれています。つまり、敏感に反応しすぎるところがあるのですね。エラーも起こしやすい。

このことから、心理的に不安があると、たとえそれが的外れなものであっても、感度良すぎの扁桃体が不安をキャッチしてしまいHPA系を発動させます。

どういうことがと言うと、ジャングルでライオンが襲いかかってくる危険にさらされていないにも関わらず、ボクたちの心身は実際にいのちの危機にさらされた時と同じような反応を起こしてしまうのです。

ものすごく乱暴に表現するならば、ボクたちの脳システムは、原子時代とほとんど変わっていない、という理解をしていれば大丈夫です。

突然心臓がバクバクしたり、呼吸が苦しくなったり、手に汗をかいたり、足がガクガク震えたり、声が上手くでなくなったり・・・

扁桃体のセンサーが勘違いしたまま、誤作動したまま、それがなぜ起こっているのか理解できないまま、生理反応が起こるのです。

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■ココロの安定を自ら持つこと

脳科学によれば、不安のせいで扁桃体が活性化し、生理反応が消費されると、ワーキングメモリや新しい情報の処理をする脳領域に、必要な情報が届かなくなると考えられています。

そのため、深くものごとを思考したり、分析したり、問題を解決するための思考の使い方がうまくできなったり。エネルギーが漏れてしまっている状態ですね。
そのせいで、凡ミス、注意散漫、遅れ、整理整頓ができない・・ってことが容易に起こってしまう。

不安を感じている人は本来持っているポテンシャルを発揮することができないのはこのためです。同時にそれは、クリエイティビティが低下することを指し、創作意欲やアイデアをカタチにする楽しみを感じにくくなってしまうのです。

不安は自己印象操作をもたらし、チームの学習やクリエイティヴィティを妨げ、チームの生産性を低下させるだけでなく、扁桃体が活性化することで個人のポテンシャルにも悪影響を及ぼします。

あらら。 不安くん、ホント、困った子ですね (・・;)


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ボクたちが出来るのは「気づくこと」です。

今、なにが起こっているのか? どう感じているのか? 
ここで、決して自分を責めないこと。身体からの反応や、緊張、不安感を無視せず、感じ切ること。

そして、「4つの不安」の要素が自動的に働いていないかどうか?
ただのエラーなんじゃないか?

もしそうであれば、今、自分は、本当はどうしたいか? 

丁寧に。自分のココロの声を聴いてあげる。

これは、不安になったときにすぐにできる方法として覚えておくといいですね。
ここはジャングルでもないし、獣もいない(笑)。扁桃体のセンサーの誤作動かもしれないし、もしかしたら、いま感じてる不安くんは、ただの幻想なのかも・・・と。

こんなふうに、まずは時間をおいて、不安感と自分の声にスペースを与える習慣を持ってみるのです。すると、感情の波に翻弄されることが少なくなってゆき、もっとスペースを空けることができるようになるのです。

仮に、感情が揺るがされるようなことが起こっても自分でその波が鎮まってゆくのがわかります。無駄なエネルギーロスを防げるのです。
そして、この習慣はトレーニングすると鍛えられることもわかっています。

まずは、不安を感じること自体は、ボクたちの生命活動を守ってくれるありがたい自動システムだったのだと思い出し、さまざまな感情を感じられているご自身の自然な姿なのだととらえて安心してくださいね。


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■不安くん、まとめ


繰り返すと、ボクたちのココロの安心=心理的安全性とは、人間関係や環境におけるリスクを「安全だ」と信じられることです。

ココロが安全な環境では、助けを求めたりミスが起こったとしても、それを素直にを認めることができるからです。

「怒られて罰を受けるんじゃないか」
「カッコ悪い思いをするんじゃないか」
「ここにいてはいけないんじゃないか」

という不安がやわらぎ、ネガティブな状況になったり、理不尽な扱いを受けるような結果にはなりません。

むしろ、正直であることが許されている場です。誰もが自分の意見に率直で、かつ、他者を思いやる気持ちがあれば、自然にそうなっているといえるでしょう。

これは、職場だけに限りませんね。
あなたの仲間が互いに信頼、尊敬しあい、互いに本音の話ができると思えるとき、ココロの安定が存在するのです。

ボクも、そんなやさしい環境でいたいと思いますし、他者の複雑な気持ちに寄り添える存在でありたいです。

それには、ボク自身がもっともっと成熟することなんですよね。

あなたはいかがですか?


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