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ウルトラマンみたいな社長さん、というお話

知り合いの社長さんとのお話で、自分には欠点がないと言われていたんですよね。

欠点のない社長さん


いや、すごい人なのはそうなんですが、じゃあ欠点がないかと言われればそんなことはないと思っちゃうんですよ。
実際にその社長さんの会社はすごい大きくなってるわけじゃないし、スタッフ間のトラブルも普通にあるし、普通にスタッフ教育で行き詰まってるしで、全然普通の社長さんなんです。

で、いざ「あなたの欠点は?」と聞くと無いと答えるわけです。
実際のところ、僕はその社長さんの会社で働いているわけではないので、社内での仕事ぶりは知りません。その社長さんは社内で言えない愚痴を言うことが多いですが、本当はその愚痴も嘘なのかもしれません。

社内で完璧と思っているのなら

その社長さんの言うことを信じて、社内で完璧だったとしましょう。
完璧な人が上にいると、下の人間はその社長さんに敵うわけないから社長さんの言うことを最優先にしますよね。そうなると自分で考えるより社長さんに聞くほうが早いし完璧ですもんね、だって社長さんは完璧なのだから。
なにかトラブルが起こったとしても、自分で解決して失敗するより社長さんに相談して対処してもらったほうが確実ですもんね。だって社長さんは完璧なのだから。
自分で何か考えても、どうせまだまだ完璧じゃないスタッフの考えることなんて社長さんの足元には及びませんよね。だって社長さんは完璧なのだから。

そうしていると、社長さんの顔色をうかがう、トラブルの対処もしない、何も考えないスタッフが出来上がりますよね。何をするにも完璧な社長さんがいるから。

例えばウルトラマンがいたとして

「怪獣が暴れています、どうしましょ」ってなった場合にウルトラマンがいればそんなのもうウルトラマンに頼るしか無いですよね。いや怪獣に人間の力が通用するわけないし、兵器も少しは役に立つかもしれませんが決め手にはならないですよ。そうなったらウルトラマンが現れるまでは逃げて、現れても危険を避けて、ウルトラマンが倒すのをみんなで祈るしか無いですよね。
いや、自分がウルトラマンになれるのなら、エヴァに乗れるのなら、それはまた別の話ですが、もうウルトラマンがいてるのなら、わざわざ何か奇跡的なものに期待しながらの努力はしないと思うんですよ。

完璧な社長さんはウルトラマンじゃないのか

完璧と思っている社長さんは、社内のトラブルを軽々と片付けるわけですよ。それはもう軽やかに鮮やかに。
いきなりそんなのを見せつけられたら「あ、これは僕の出る幕じゃないわ」と、ならないですか?
そんな経験が積み重なっていくと、自分でなにかするよりできる人にやってもらおう、となるのは自然な流れだと思うんですよ。
この流れは、ウルトラマン頼みの心境と一緒だと思うんでうよね。「いやいや普通の人間(である僕=スタッフ)がウルトラマン(強大な力を持っている存在=完璧な社長さん)の助けになるなんてありえない、なにかしたくても足手まといになるか、巻き込まれて踏み潰されるのがオチやん。せめて邪魔にならんようにしとこうっと」って考えると思いません?

ヒーローは孤独なのだ

ヒーローって完璧な存在じゃないですか。完璧な存在は周りからの理解は得られないんですよ。だって完璧だから。
みんな普通の人はそれなりに長所もあって短所もあると思うんですよ。完璧とは程遠いような失敗もするし、弱い存在なんです。
そんな普通の人がヒーローを見ると、憧れはあるかもしれませんが、その人(異星人)とは違うよな、となるじゃないですか。
社長さんも「舐められたらあかん」「引っ張っていかなあかん」「自分がそんなじゃどうするねん」と思う気持ちはあるのかもしれません。ただ、その人の望んでいるものは孤高のヒーローなのでしょうか?孤独な存在でしょうか?
実際に何を望んでいるのか、その社長さんにも考えてもらいたいのですが、完璧な存在なので僕の声は届かないんですよね。

経営者は孤独だ

実際に経営者ではないのでわからないですし、多くの経営者が「経営者は孤独」と言われているのでそうなんでしょう。
ただ非経営者から見てて思うのは、その孤独は自分で作り上げてない?ってことなんですよね。実際に経営者にしかわからないことは多々あると思うし、スタッフに言えないことや、その立場にならないと分かち合え無いことはあるんだと思うんですよ。
でもですね、それにしても孤独になりすぎてない?って思うこともあるんですよね。この話の社長さんにしても、僕から見ると自分で孤独になっているようにみえる部分もあるんですよ。
スタッフ間のトラブルでストレスが貯まることや、スタッフが思うおように伸びてくれない問題も社長さんが孤高すぎるからというのも要因のひとつな気がするし、ストレスがたまる一方なのも孤独だからということもあると思うんですよね。
まあ、だからって僕がなにかしてあげられるわけじゃないけど。


で、ヒーロー物って弱さや挫折の回に共感を集めるお話はまた別の機会に。

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