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アトピー周辺知識24: 成長ホルモン・睡眠障害

 アトピー性皮膚炎と睡眠障害の関係については以前成長障害の記事にて触れた。そして問題の根幹はアレルギーそのものというより大元の新型栄養失調による成長ホルモン産生低下、その結果としての成長障害・睡眠障害・細胞分裂やコラーゲン生成の抑制(加えて各種障害と皮膚症状から更なるミネラル・アミノ酸欠乏という栄養障害に繋がる悪循環)にあるという結論に至った。

 最近また睡眠習慣にやや問題が出てきたため、改めて睡眠障害解消の為の栄養療法としてサプリ摂取の内容を見直してみたいと思う。
 

 ・摂取すべき栄養素


 成長ホルモンの産生に必要な栄養素としてはアルギニン・オルニチン・リジンの各種アミノ酸、更にその分泌を促進させる亜鉛が挙げられる。 また成長ホルモンの分泌を促進する作用を持つホルモンであるメラトニン(セロトニン)の生成に必要なナイアシン・ビタミンB6、マグネシウム・鉄も摂取すべきだろう。
 こうして列挙してみるとアトピー性皮膚炎の治療に必要な栄養素とも多数が重複している事が分かる。
 詰まるところアトピー性皮膚炎患者は成長ホルモンの生合成にも支障をきたし易い状態にあり、アレルギー症状のみならず成長ホルモン分泌の観点からも睡眠障害を起こし易い体質であると言える。

 この点は成人のアトピー性皮膚炎患者よりも成長期のアトピー患者にとって影響が大きく、上部記事の研究の様に容易く成長障害・睡眠障害へと繋がってしまう懸念がある(乳児期での夜泣きとアレルギー性疾患の関係もアレルギー症状による悪影響に加えて、新型栄養失調を原因とする成長ホルモン産生やセロトニン産生の低下により説明し得るか)。
 これはアトピー性皮膚炎の治療に栄養療法を用いるべき理由として、特に未成年の患者に対しては無視出来ない程に重要なものだろう。

 …私自身アルギニン・オルニチン・ナイアシンを改めて意識して飲み始めたところ、明確に寝付きと寝覚めが改善してきているのを実感している。


・追記
 
睡眠障害の改善として自律神経の調節、神経細胞の興奮・抑制というコントロールにカルニチンが重要な働きをしているとの研究も有り、カルニチンの摂取も重要である。

 そもそもアレルギーによるヒスタミンの過剰放出が覚醒作用を生じさせ、直接的に睡眠障害を引き起こすというのもある。

 こういった睡眠障害改善の観点からも、またモーニングアタックを解消・緩和するためにも就寝前の抗ヒスタミン薬の内服は効果があると思われる。


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