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工藤 弥生
2017年2月17日 21:46
指先が冷たいゆえに、ひとりでに歯車砕け白く輝き、散らばった破片を集め糊をつけ元の姿にしようとしても、つけるたびこぼれてしまう砂に似た、機械は自分自身の鏡。きらきらと光るだけなら、そのままにしといた方が綺麗なのにね。歯車は、歯車として一生を終えるのだから仕方ないよね。こわばった微笑み残しいつまでも明けぬ闇夜に砕け散りたい。
2017年2月10日 06:50
簡単な仕組みで動く歯車が、ある日意志など持ってしまった。手元にある金属質の円盤。このひとつひとつが反乱を起こすのも時間の問題かもしれない。そのときに僕らは、その鋭利な外周に刻まれて、鉄錆の匂いがする蛋白質の屑となって存在することになるのだろう。歯車の意志は? そもそも僕らの意志は? それを瞬時に言えない以上、歯車も僕らも同じで、僕らが一方的に彼らを使役することは許されないことだったのではないか