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空から落ちてきた

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ラジオのつまみをいじっていたら、心惹かれる曲が流れてきたり、手紙入りの瓶が流れてきて、直接語りかけてきたり、そんな瞬間がほしくて。 散文、ときに韻文。胸いっぱいのさびしさをあな…
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2017年3月の記事一覧

つばさよつばさ #短歌条例

つばさよつばさ #短歌条例

つばさ持ち切り取ってゆく輪郭を描くことなどもう嫌だけど、逃げられぬ定め宿命見えぬなら抗うこともできないわけで、希釈した悲しみなどを青空にさらに垂らして何も起こらず。風の音聴こえていても風が吹く土地の果てには辿り着けない。願うなら行えばいい。誰一人止める人などいないのだから。唱えても虚ろね。呪文の声調は誰も教えてくれないものね。とりあえず進むしかない道があり、後ろ姿は消えてしまった。笑おうかもしも私

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さみしさをかなぐり捨てて #短歌条例

さみしさをかなぐり捨てて #短歌条例

さみしさをかなぐり捨てて、今日の仕事の支度をしても、捨てたもの全てが意思を持つようで、縋る腕から逃れられずに、過去問を解き続けても今日に来る問に答える自信はなくて、微笑みを浮かべていても漆黒の重油のような膜は消えない。ひとつずつ罪の重さを数えては検算をして救われないで、この闇の吐き気のような気だるさに自分全てを委ねたくなる。敗北は誰かが勝手に決めるもの。私のことは放ってほしい。分銅に誰かが書いた目

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朝が来るから #短歌条例

朝が来るから #短歌条例

朝が来るから寂しいの?どうせまた使ってしまう時間だろうに。一日を積み重ねてはまた崩し、いつまで生きているつもりなの。鈍色の東の空に戻せない光を眺め傷ついている。そんな日もあるよと誤魔化せないほど、君の心は倦んでいるんだ。双子座の君と蟹座の私なら、いずれ笑って世界を壊す。そんなこと、疑わないで授業前、部室に行ってつかず離れず、クラシックギターの弦を弾いてはまた弾く爪じっと見ていた。さみしさが音に出る

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