エリザベス・キューブラー・ロス『死、それは成長の最終段階』「結び」(力と勇気)

それでは、
自分を外部から規定されることを拒絶し、
自ら規定するための
力と勇気はどこにあるのか。

あなたが恐れずにしっかりと現実を見据えれば、
力と勇気は
すべてあなたの内部に見つかる。
そして、
そこに導いてくれるのが
死だ。

なぜなら、
この世での時間が限られたものであり、
いつ終わりが訪れるのか知る由もないことに気づき、
十分理解したとき、
私たちはいやがおうにも、
一日一日を
かけがえのないものとして
生きるようになるからだ。

今こそ成長を始めなければならない。
一歩一歩、
不安を感じない程度の歩調で、
しかし積極的に歩んで、
自分というものに
到達できるよう成長しなければならない。

思いやり、愛、勇気、忍耐、希望、信念を持って生きていれば、
自分のなかに
力と指針を求めた時だけに
差し出される救いの手に気づくようになり、
あなたは報われるだろう。

人間が
「到達しうる最高レベルの不動と静寂の場所を見つけると、
天の力が人間の中に流れ込んで、
人間を創り直し、人類の救済のために人間を使うようになる」

死とは
この世での成長の最終段階である。
死によってすべてが滅びるのではない。
死ぬのは肉体だけである。
自己、あるいは魂(どう読んでもかまわない)は永遠である。
気持ちの安らぐようなかたちで、
人それぞれに自由に解釈すればいいのである。

自分の気持ちや行為の一つひとつが、
自分と関係のある人たちに影響を与え、
その人たちがまたほかの人たちへ影響を与えるというように、
次々に広がっていくという影響というかたちで、
人間は寿命が尽きた後でも
永遠に存在し続けると考えてもいい。

たとえば、
出会った人に微笑みかけたり、
励ましの言葉をかけたりしたことが、
さざ波のように広がって
誰かに影響を与えているという事を、
あなたは知るまい。

私たちの内部には、
私たち一人ひとりをすっぽりと飲み込んでしまうほどの
大きな善と光と強さの源がある。

そして、
それぞれにかけがえのない自己には、
肉体の有限性を超越し、
その大きな力の源に
さらに力を与えるものが備わっている。

外部からの規定ではなく

自分自身の規定で生きるための

力と勇気は

自分の中にある。


死を理解することで

かけがえのない瞬間としての

「今」を意識できるようになる。


すると

今この瞬間を

大切に生きるようになるというのだ。


そして

思いやり、愛、勇気、忍耐、希望、信念を持って

生きることができるようになるとき

差し出される「救いの手の存在」を

感じることができるという。


死を認識し理解することで

成長の最高レベルに

到達することができるというのだ。


「魂が永遠」ということは

今現在の人間が行うことが

周りの人間にも影響を与え

そして

今後の人間にも

その影響は続いてゆくという

永遠だ。


つまり

人に対する微笑みや励ましの言葉が

さざ波のように

誰かに影響を与えて広がってゆく

というように。


そして

私たちの中にある

大きな善と光と強さの源の影響が

遥か

時空を超えて

その影響を

ずっと永遠に

与え続けてゆくというのだ。


ほんの少しの

勇気と実践が

現在を変える力となる。


そして

確実に

未来を変える力となる。



よろしければサポートをお願いします。