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曽野綾子 この世の哀しさ

人生は技術ではない。
人生には誠実がいる。

人間にとって大切なのは

誠実に生きるということだ。

どんなことをしても

この

誠実が感じられない人には

近づきたくはない

気持ちになる。


生き残るために

本能の

嗅覚。

ただ誠実というのは、

自分が

いいことをしている、

嘘をついてはいない、


などという

単純な自信に

満ちることではない。

単純に自信をもって

満足していることは

ただ単純というだけだ。


すぐに満足できるので

ある意味は

とても

幸せなことだ。

誠実とは

「もののあはれ」

を知っていることだ。

誠実とは

もののあはれを

知っているということ。


存在そのものが

奇跡であり

生きていることは

儚いことであり


生き続けていることは

哀しさがあること。


哀しさのなかで

生きるということ。


生きとし生けるものが

すべて尊く

儚い命の

哀しさがある。

・・・
別の言い方をすれば、

共に

この世には

哀しさがある

と感じていることだ。

ずっと続く

哀しさの中で

生きていくことを

感じる。

この共感がある時初めて


「シンパシィ(同情、共感)」

が生まれる。

生きていることの

哀しさを

共感できること。


それを

誠実という。

『至福の境地』

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