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エリザベス・キューブラー・ロス『人生は廻る輪のように』「生とその過程について」

わたしには未来のことをすでに起こったことのように思い描くくせがある。家族や友人たちが世界の各地からやってくる。たくさんの車がゆっくりと砂漠をすすんでくる。やがて、彼等は未舗装の道路脇に、「エリザベス」と小さく書かれた白い道標を見つける。そして、こちらに近づいてくる。先住民のティーピーのまえをとおりすぎ、屋根のうえにスイスの国旗がはためく、スコッツディールの私の家に到着する。悲嘆にくれている人もいる。やっと苦しみから解放されてよかったと安堵している人もいる。みんなで食べ、語り合い、笑い、泣き、時間がくると E.T.のかたちをした無数の風船をいっせいに青空に放つ。むろん私は死んでいる。
 だが、出発パーティーを用意して不都合な理由があるだろうか?祝ってはならない理由でも?七十一歳になったいま、私は自分が本当に生きたということができるようになった。とても生きられないと思われた「九〇〇グラムのチビ」からはじまって、人生のほとんどを無知と恐れという圧倒的な力とのたたかいに費やしてきた。わたしの仕事につうじている人ならだれでも、私が死を人生の最大の経験のひとつだと信じていることを知っている。私を直接知っている人なら、この世の苦から まったき愛の存在への移行を、わたしがいかに熱烈に待ち望んでいるかを証言することができる。

・・・

 学ぶために地球に送られてきたわたしたちが学びのテストに合格したとき、卒業がゆるされる。未来の蝶をつつんでいるさなぎのように、たましいを閉じ込めている肉体を脱ぎ捨てることがゆるされ、ときがくると、わたしたちはたましいを解き放つ。そうなったら、痛みも、恐れも、心配もなくなり・・・・・・美しい蝶のように自由に飛翔して、神の家に帰っていく・・・・・・そこではけっしてひとりになることはなく、私たちは成長をつづけ、歌い、踊る。愛して人たちのそばにいつもいて、想像を絶するほどの大きな愛につつまれて暮らす。


私が

父の死を

冷静に受け止めることができたのは

エリザベス・キューブラー・ロスの多くの本を

読んでいたこともある。


死は

苦しみからの解放

自由な世界への旅立ち

魂の次元への移行

と考えることが救いとなった。


肉親がなくなることを

若い頃は

とても恐れていた。

恐ろしくてたまらなかった。

しかし

それは自分の視点からの

恐れだった。


年を取り

経験を重ね

多くの本を読むことで

死んでゆく視点から

死を捉えることができるようになった。


死は

あらゆるものからの

解放だと思うと

死は

恩寵となる。


エリザベス・キューブラー・ロス自身が

脳梗塞を繰り返し

人の助けが必要となる生活を経て

ゆっくりと死に近づいていったこと。


エリザベス・キューブラー・ロスが

自分の考えを

自分で検証することができたこと。

そして

世の中の仕組みそのものを

変革していく人となったこと。

素晴らしい人だ。


エリザベス・キューブラー・ロスは

輝かしい功績を遺した人。

そして

この世に遣わされた人。



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