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ヒルティ『幸福論』(第3部)の言葉

「われわれが生きているかぎり、

確かにわれわれの魂のなかで、

光や喜びに満ちた状態と、

暗闇や自己破壊の状態とが

互いに入れ代わって現れること、

そして、

その一方の状態だけがあまりに長く支配しているとき、

われわれの内的生活は、

健全に成長せず、

錯覚にとらわれやすいこと、

これだけは間違いないところである。」


人生においては

喜びに満ちた状態と

暗闇と自己破壊の状態とが

入れ代わりに現れる。


その状態のどちらか一方のみの状態が

長く続く時に

健全には成長することができなくなる。


つまり、

人間の精神の健全な成長においては

喜びと悲しみの両方が必要だということ

自己肯定と自己批判の両方が必要だということ


そして重要なことは

どちらのバランスも保ち続けてゆくこと


さらに


喜びと悲しみの両方を

十分に味わうことなくして

そのどちらの価値も理解することができないということ


喜びがあるから悲しみが分かる

悲しみがあるから喜びが分かる


比べて感じる感情


そして

おそらくは

そのどちらも長くは続かないということが分かっているならば

喜びに浸りすぎることなく慎重に生きることができる。

また

悲しみも続かないと分かっているならば

途方に暮れることなく

希望を持って生きてゆくことができる。


予行練習ができない人生なので

不安ではあるけれども

その時の一瞬一瞬を

生き生きと

生きてゆくことを楽しむこともできるとも言える。


キリスト教の教えを中心に説いている

ヒルティの『幸福論』は

一貫して

人々を支える言葉が書かれているように思う。

全部で三部作。

寝る前に少しずつ読んでいった。


そして支えられた。


本には

付箋が付箋の役割を果たさないくらい

付箋をたくさん貼っている。


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