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エリザベス・キューブラー・ロス『死、それは成長の最終段階』「結び」(光をともすものとなる)

人が目的のない虚しい人生を送ってしまう原因の一つは、死の否認である。なぜなら、
永遠の命を持っているかのように生きていると、
今しなければならないと分かっていることを先延ばしにしがちだからだ。
明日の準備として今日を生き、
昨日の記念として今日を生きていると、
一日一日は無為に過ぎるだけだ。

逆に、
朝目覚めた時に
今日が人生最期の日になるかもしれないと十分理解していれば、
人は成長するために、
もっと本当の自分になるために、
そして、
他の人間と接するために、
その大切な一日の時間を使うものだ。
あと
何日、
何週間、
何か月、
何年、
人生が残されていようと、
人はみな成長することに懸命にならなければならない。

このことは現代において急務となっている。
私たちは、不安や恐怖や絶望が渦巻く、不確実な時代に生きている。

人がそれぞれ内面に秘めている光・力・強さに気づき、
その内的なエネルギーを、
自分自身の成長と他人の成長のために使うことが不可欠だ。
他人と協力し、
愛情をもって生きていける段階まで成長を遂げた人を
世界は求めている。

人に何かをしてもらいたいからではなく、
よく思われたいからでもなく、
人のために何かしたいという一心で、
他人の世話ができるような人が、
どうしても必要なのである。

人に愛を送れば、その愛は自分のところに返ってくる。
愛情のこもった行為によって、
人は成長し、
私たちが生きるこの暗黒の時代を照らす光をともすようになる。

それが
死に瀕している人の病室であろうと、
ハーレムのスラム街であろうと、
自分の家であろうと。

人生に目的もなく無為に過ごしてしまう原因は

今という時間が

永遠に続くと思い込み

または

そんなことを考えることもなく

過ごしてしまうからだ。


限りある人生だということに気づくことで

今のこの瞬間を、愛おしく思い

そして

大事にするようになる。


自分を大事にするように

人を大事にするまで成長を遂げた人が

この不確実な不安定な時代には

必要とされている。


自分を大切にするように

人を大切にするという事を実践することができれば、

どんな人も

その成長段階までいくことができる。


そして

その実践が

枝分かれのように

無数に広がっていくことができるならば

すべての人に対して

愛情を示すことができるようになる。


最初の一歩が肝心なのだ。

まずは

家族に優しさを示すこと。

心から謝ること。

愛情を言葉で伝えること。


それから

他人に対しても愛を示すように努力すること。


お互いが愛を示すことで

この世の中を照らす

温かな眩い崇高な光となる。


その光は真っ直ぐに進む。

その光はすべてを照らす。

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