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去年のメモ(アザラシの話)
小さい頃、私の友達がアザラシに連れていかれちゃった。
私はアザラシが憎い。憎いけれども、今はその憎らしくてたまらないアザラシに攫われたい気分だったのだ。
それはどうしてかというと、細々としたあれこれがあって、あわよくば、昔連れていかれたお友達に会いたいのだ。
そんなこんなで冷たい海に来た。
やってきたのはアザラシではなく、セルキーだった。
あの時、友達を連れていったのはあなた?
「違う、そうで
カッパになってしまう
かなり切実。やばいぞ。
今日は本当におかしな日。丸いものが全て尻子玉に見えてしまうんだよね。
マスカットか何かが敷き詰められたパフェの写真、粒の大きな丸い石で出来たジュエリー、クリスマスツリーのオーナメント、地下鉄のマーク、SNSのアイコン、マンホール、何かの飾り、などなど…
目に映る丸いものはなんだって尻子玉に見えちゃう、怖いよ。だって私、本物の尻子玉見たことないし。
と同時に、この世には丸が
星の砂を片手に 【前編】
あるところに、奈帆(なほ)という少女がいた。
奈帆は生まれつき、髪の毛の色が青かった。その青色というのもただ青いのではなくて、海のような色をした美しい髪なのだ。
頭のテッペンは深海のようなコンコンとした深い青、髪の真ん中は青と水色のグラデーションが綺麗で、毛先は南国の海のような、明るいターコイズブルー。
くせっ毛で元々ウェーブ髪なのも相まって、奈帆の髪の毛はまさしく「波」だったのだ。
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