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[クルーは見た!]豪華客船勤務中に実際に起こった非日常

豪華客船はゲストにとってはいつも非日常!
美しい装飾の船内で、美味しい料理や珍しいショーを見たり、毎朝違う港に着いたり…

そんな中、クルーズ船クルーは船内に数ヶ月住み続けるため、毎日ほぼ同じ日々を過ごしております。
ところが、たまーーーに、本当に稀に同じ日々ではない日があったりするんです!

今回は、私が前回のクルーズ船で働いていた際に起こった 非日常 をご紹介します🙏🏻


行くはずだった国ではなく、他の国に寄港

クルーズ客船を予約する際に、必ずチェックする旅程。 この旅程が天候の影響で、違う国になることがあるんです!

このケースは、稀ではありますが比較的あるケース。私のケースは、中米ベリーズ🇧🇿に行く予定だったところ、悪天候の影響でホンジュラス🇭🇳へ変更

クルー側としたら、行き慣れているベリーズではなく、初めてのホンジュラスでラッキー!という感じで喜んでいる人が多かったのは正直な所ですが、急な変更でツアーのキャンセルや変更、新しいパンフレットの作成等でなかなか大変でした。

予約の時点で行く国に関してしっかり調べて、ワクワクしながら乗船していたゲスト達には残念な事ですが、こんな事もあったりします。


難民が船に避難

バハマからアメリカに移動している際に起こった事件

1日中港に寄らず、海の上を移動し続ける航海日を、船ではSea dayと呼ぶのですが、その最中にキャプテンからアナウンスがありました。

“大海原の真ん中に小さなボートが難破しかけており、救助を要するため一旦止まります”

窓から海を見ると、そこには小さなボートに人がぎゅうぎゅうに詰まって乗っていました。

キューバ人24人が国から逃れてアメリカに密航しようとしていたのです。

命をかけて海に出た後、途中で大波にさらされる等して沈没しかけていたところに私の勤めている船が偶然通りかかり、救出!

私は見ておりませんが、船に救助されたキューバ人達は、小さな子供もいたり、みんなブルブル震えていたそうです。固い決心の末国を逃れるということを、日本で生ぬるく生きてきた私は初めて見たので、衝撃を受けたことを覚えております。

その後アメリカに着いた後、警察に渡りました。彼らがアメリカにそのまま滞在できたのか、キューバに戻されてしまったのか私は分かりませんが、彼らの幸せを願います。


マン オーバーボード

クルーズ船クルー歴長年の人でもあまり遭遇したことがない事件、その名も

Man Overboard

マンオーバーボードとは、人が船から飛び降りることです。
実際には、エマージェンシープラン(これが起きた時何をするかというクルーの訓練)にもあるのですが、滅多に起こらないようです。が!
そんな事件が起こり、警察沙汰になり、アメリカでニュースにもなりました(小声)

真夜中3時に突然普段聞かないアラームが爆音で船中に鳴り響き、起こされました。

アラームが3回鳴ったところで、マンオーバーボードだと気づき、ただ事じゃないことにルームメイトとソワソワ

セキュリティチームは船の上から落ちた人を探し、
カウンターチームは船内の全ての人を数えて落ちた人の身元を確認、
後に落ちた人は海から引き上げられ、残念ながらその方は船の19階から海の表面に叩きつけられた衝撃で即死だったそうです。

船内全てのクルー・ゲストを確認する必要があった為、みんな真夜中に叩き起こされました。また、よりによってその日の朝に下船・午後から新しいゲストが乗船という流れだったので、混乱を来す非常事態でした。


私はマンオーバーボードの際は訓練上役割は無かったのですが、この下船誘導の手伝いをする事になり、とても大変でした。

というのも、遺体が見つかった後アメリカの港に着くなり警察達が船に乗り込み 事件性など確認する為取り調べ調査 - これが終わるまで誰1人船外に出ることが出来ないため、ゲストからは早く出せとクレームの嵐、ピリついた下船列ではルールを守らない人が割り込み殴り合いの喧嘩など…
結局下船許可が出たのは約6時間後くらいでした。

ですから、みなさん!タイタニックのローズの真似したりしないで!絶対にマンオーバーボードはやめて下さい!!!😅 by クルー




以上、実は他にも沢山ありますが、この3つが特に印象に残った私が実際に経験した船の上での非日常でした!

次の船ではこんな事態が起こらないことを願っております😅🙏🏻

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